パナソニック ホールディングス㈱は10月12日、10月5日に発表された2023年度グッドデザイン賞(主催:(公財)日本デザイン振興会)で、パナソニック コネクト㈱がシステム・サービス1件を含む合計4件のグッドデザイン賞を受賞したと発表した。なお、パナソニックグループ全体ではグッドデザイン・ベスト100に3件選定され、合計41件のグッドデザイン賞を受賞している。今回のパナソニック コネクトの受賞対象は以下の通り。

(1)頑丈ノートパソコン Panasonic TOUGHBOOK(タフブック)FZ-40シリーズ
・受賞カテゴリー:パソコン・パソコン周辺機器
・概要:警察や消防車両への搭載や電力、ガス、水道など公益事業を担う市場をターゲットとした頑丈ノートPC。過酷な環境での作業を可能にする頑丈さと長時間駆動、騒音環境においても快適なWeb会議機能搭載。必要な機能を顧客自身で後付け可能なモジュラー構造を採用することで、機器の長期利用や環境負荷の低減に貢献する。
・デザインのポイント
1)顧客自身で必要な機能を後から追加・交換可能なモジュラー構造で機器の長期利用や環境負荷の低減に貢献
2)従来機種と車載ホルダー取付位置やIOポート位置を共通化することで、周辺機器の継続利用が可能
3)遮熱性シルバー塗装やフルバンパー構造、クロスパターンの組み合わせで”壊れず長い間使えるPC”を追求
・審査委員の評価:世界中の過酷な現場での使用のために作られたTOUGHBOOKの10年ぶりの新型モデル。これまでのTOUGHBOOKのデザイン哲学をしっかり継承しつつ、様々なI/Oデバイスに対応するためのモジュラー構造、大画面化、Web会議のための大音量スピーカー等、シェアNo.1の地位に満足することなく常により良いもの目指そうとする開発者、デザイナーの心意気に敬意を表したいとしている。
・詳細情報:https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/tough/lineup/40-a

頑丈ノートパソコン Panasonic TOUGHBOOK(タフブック)FZ-40シリーズ

(2)ビジネスモバイルパソコン レッツノート SRシリーズ
・受賞カテゴリー:パソコン・パソコン周辺機器
・概要:頑丈・軽量・長時間駆動を備えたモバイル性、狭い環境でも快適に作業できる操作性、ビジネス基準のセキュリティ性能の3点をA4以下のコンパクトなボディに凝縮したビジネス用モバイルPC。働く環境が今まで以上に多様化しリアルとオンラインが混ざったハイブリッドな環境に変化する中、よりアクティブな働き方を叶えるため本機を開発した。
・デザインのポイント
1)一体成型による新ボンネット構造により、ビジネスシーンに調和しながらも頑丈で安心して持ちだせる
2)大口径化した円形タッチパッドにより、機内や車内などマウスが使いづらい狭い環境でも仕事がしやすい
・審査委員の評価:レッツノートの高性能コンパクトモバイルノートであるSRシリーズ。レッツノートのデザイン哲学をしっかり引き継いだ製品で、長く使い続けられる堅牢性、持ち運びが負担にならない軽量、一日中仕事ができる長時間駆動、これらの要求はどんな時代にあってもビジネス用ノートPCに求められる基本要求である。27年間そのコンセプトからぶれることなく実直に守り、開発・デザインを続けてきたからこそ、現在のレッツノートブランドの強さがあると、改めて感じさせてくれる製品としている。
・詳細情報:https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services/letsnote/lineup/sr

ビジネスモバイルパソコン レッツノート SRシリーズ

(3)プラズマダイサー APX300-PD
・受賞カテゴリー:生産・製造用機器・設備
・概要:半導体製造において、集積回路が形成されたシリコンウエハーをプラズマ制御によるエッチング方式で個片に分割(ダイシング)する装置。従来の回転砥石による切断方式と比べ、ウエハーへのダメージを大幅に軽減、クリーンで精密な断面のダイシングを実現する。微細化や3D構造化など半導体の高性能化を支援し、製造ロスの低減にも貢献。
・デザインのポイント
1)ダイシング部を4台まで増設可能な放射状レイアウトで設置環境に最適化出来る柔軟性と面積生産性
2)ダイシング部周囲の作業空間確保と回転開閉構造の蓋の採用で、メンテナンス時の安全性と作業性が向上
3)現行機から体積を半減し、白色基調と青色ラインの分割意匠で無味単調で圧迫感のある労働空間を改善
・審査委員の評価:プラズマダイシングによる革新的なウエハーの切断技術を軸に、従来の板金で作られた大きな箱型の機械のイメージを一新した、放射上のレイアウトモジュールが非常にユニークな装置。ブルーのアクセントカラーが装置の重厚感を和らげ、軽快な印象を与える効果として成功している。また、ダイシング部を最大4台まで増設できるため、設置の柔軟性が高く、この方式の採用により通常の体積が半分に削減されたことも注目すべき点。機械のあるべき姿として働く人を中心に考え、快適な生産環境の構築に貢献する素晴らしい提案としている。

プラズマダイサー APX300-PD

(4)「YOSS(Yamano Osaka Screening System)」クラウドサービス(大阪公立大学と共同)
・受賞カテゴリー:一般・公共用システム・サービス
 ※コネクトではシステム・サービスがグッドデザイン賞を受賞するのは2022年に続き2回目。
・概要:貧困や孤独等、支援が必要な生徒の潜在的SOSを、スクリーニング作業で早期発見し、学校と地域、専門機関が連携を促進し、適切な支援へつなぐサービス。教員の生徒への理解を深め、クラウドでデータをシェアすることで、支援者同士の連携がスムーズになり、サポートを必要とする子供の重大事案防止につながる。
・デザインのポイント
1)児童の状態をチェックリストに入力するだけで、表面化しにくい要支援の生徒を早期発見できる
2)教員だけの対応に留めず、地域、専門機関が連携し、客観的な指標に基づき支援を決定することができる
3)クラウドにより全国の教育現場への導入を促進。データ集約し学習モデルを深化することで判定精度を高める
・審査委員の評価:多様性が声高に叫ばれる中、多様性の包摂への取り組みは想像しているよりもずっと少ない。短期的にみれば、手間がかかり、考慮しなくてはならない要素も広がる一方、ビジネスモデルは確立していないからとしている。そんな中、本サービスは不登校という選択をする子供の状況をシステムで共有し、教員1人に依存するのではなく、複数判断で判定する仕組みをとることで、質を維持したまま迅速化を図っており、大切な一歩を踏み出したと言える。今後ますます増加が見込まれる不登校の生徒に対して、教育現場そのものも多様化していく必要があることを示してほしいとしている。
・詳細情報:https://connect.panasonic.com/jp-ja/products-services_yoss-cloud-service

「YOSS」クラウドサービス

パナソニック コネクトはパナソニックグループにおいて、B2Bソリューション事業成長の中核を担い、顧客起点で顧客の「現場」に貢献する新しいソリューションを提供。企業としての存在意義であるパーパスを、「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」と掲げ、ビジネストランスフォーメーションを推進している。

また、2023年4月1日付でトランスフォーメーションにおいて、社内の様々な部分をつなぐ役割を担う製品やサービス・ソリューションのデザインを行うデザイン部門と、ブランディングやデマンドジェネレーションを担当するマーケティング部門を統合した。これにより、真の「顧客起点」を実践するため、企業活動のあらゆる顧客接点にデザイン&マーケティングが参加する体制を構築。「顧客起点」のビジネス戦略、製品・サービス開発、コミュニケーションの実践を可能にする体制として、開発・製造・営業・サポート・企画・人事・IT・知財等、様々な部門と緊密に連携し、企業全体に「顧客起点」の考え方を浸透させる経営変革も行っており、今回の受賞は現場に役立つ顧客起点に立ったデザイン推進として、その評価を得たものと同社では捉えている。