シナノケンシ㈱(ASPINA)は6月2日、製造現場の工程間搬送における自動化の課題に対応する国産の自律走行搬送ロボット(AMR)「AspinaAMR150L(読み方:アスピナ エーエムアール ヒャクゴジュウ エル)」を開発したと発表した。2026年6月開催の展示会「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN 2026」(愛知県)で初披露し、同年8月より受注開始を予定している。

同製品は、近年の人手不足に加えて既存レイアウトを維持したまま自動化を進めたいニーズの高まりを受けて開発した。台車をリフトアップした状態でも幅800mmの通路を走行できるスリム設計とすることで、人が台車を押して搬送していた工程をそのまま自動化できる。さらに最大150kgの可搬重量に対応し、部品から完成品まで製造現場の様々な搬送工程に適用できる。

●進まない自動化の壁は「狭い通路」と「大きなレイアウト変更による現場負荷」
国内の製造現場では、人手不足の慢性化に加えて製品の多様化や品種切り替えの増加により、設備移設を伴うレイアウト変更が難しくなっている。そうした状況の中、「既存の搬送方法や物流動線等を前提としたまま自動化を進めたい」というニーズが高まっているが、現場では、

・通路幅が800~900mmと狭く、設備が密集している
・AMR導入のためにコストや時間をかけた大きなレイアウト変更は避けたい
・部品や製品は、荷姿や重量、搬送方法を変えずに搬送したい

といった制約により、既存のAMRではサイズや運用面で合わず、「導入したいが現場条件に合わず踏み切れない」という課題が多く存在している。その結果、現在でも作業者が台車を押して搬送を行い、本来は付加価値の高い業務に充てるべき人員が、搬送作業に割かれているケースも少なくない。

ASPINAは、自社工場での運用に加えて多くの製造現場への導入を通じてそうした課題に向き合ってきた。現場の運用実態やお客様の声を踏まえて、「導入しやすく、実運用で使い続けられる」AMRとして開発したのが「AspinaAMR150L」である。

●「AspinaAMR150L」の特長
【特長1】台車・棚を載せても幅800mm通路に対応。現場を大きく変えずに導入できるサイズ感
「AspinaAMR150L」はリフト機能を備えたAMRで、最大150kgの搬送能力と走行安定性を確保している。スリム設計により台車や棚をリフトアップした状態でも、作業者1人が台車で荷物を搬送できる最小限の通路幅(約800mm)しかない通路を走行可能。これにより既存の通路幅や設備配置を大きく変えることなく、搬送の自動化に対応することが可能。

台車を載せて幅800mmの通路で搬送

【特長2】作業の流れに溶け込む使いやすさ
作業者の近くでの走行を想定し、走行速度や加減速を最適化することで急な動きを抑えて、滑らかな走行を実現している。これにより日常の作業になじみやすく、後から導入しても現場の流れの中で運用することが可能。スリムな車体により通路でのすれ違いや交差にも配慮し、現場の動線を大きく変えずに運用できる設計としている。

【特長3】運用の変化に合わせて支え続ける拡張性
AspinaAMRは国内製造現場で多く使用されているPLCに対応し、エレベータや周辺設備との連携等、運用に応じたカスタムオプションを用意している。一部の工程から導入を開始し効果を確認しながら、自動化のステップアップに合わせて用途や搬送工程を拡張可能。

また、AspinaAMRシリーズ共通の操作アプリケーションにより、機種が変わっても操作性を維持したまま導入できる。

●国産AMRとしての安心感
AMR導入においては、万一のトラブル対応の迅速さや、継続的なアフターサポートが安定した運用の鍵となる。ASPINAは国内メーカーとして開発からサポートまでを国内で完結できる体制を強みに、導入後のアフターサポートやサービス体制にも注力している。培ってきた技術力と信頼性をもとに、現場の状況に応じた最適なサポートを継続的に行い、安心して使い続けられるAMR環境を支える。

●製品仕様
製品名:AspinaAMR150L
本体サイズ(W×D×H):500×750×280mm(リフトアップ時最大:330mm)
最大積載重量:150kg
最小走行可能幅(本体のみ):640mm
最小走行可能幅(台車・棚搬送時):800mm(幅660mmの台車・棚の場合)
最大速度:3.6km/h
連続稼働時間:約6時間(充電時間:約1時間)

※発表日時点での情報。仕様・特長および外観は変更となる可能性あり。

●「AspinaAMR150L」製品サイト
https://aspina-robotics.com/ja/products/amr/model-150l/?utm_medium=referral&utm_source=prtimes&utm_campaign=20260602-pr