㈱Hacobuは7月23日、物流DXに特化したシステムインテグレーション事業「Hacobu Solution Studio(ハコブ・ソリューションスタジオ)」を開始した。
SaaS型のクラウド物流管理ソリューション「MOVO(ムーボ)」シリーズと、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy(ハコブ・ストラテジー)」に加え、システム構築・連携領域へも支援の幅を広げることで、企業の物流DX推進をより包括的にサポートする。
標準化・オープン化が進む物流システムの潮流を踏まえ、既存の基幹システムにある商流情報との接続を視野に入れた、柔軟かつ持続可能なシステム連携を実現するのが同サービスの特徴としている。
●「Hacobu Solution Studio」詳細
https://hacobu.jp/form/document-sd-hacobu-solution-studio/
●「Hacobu Solution Studio」始動の背景
今後の物流システムには、共同輸配送等、企業の枠を超えた効率化ニーズへの対応が求められる。そのためには、標準化・オープン化された仕組み、すなわちSaaS型(MOVO等のSaaS:Software as a Serviceが該当)のソリューションを活用することが重要としている。
また、物流システムを、お金の管理を担う基幹系システムから切り離して設計することで、将来的な法改正や業務要件の変化にも柔軟に対応できる拡張性を確保できる。
一方、個社固有の基幹システムとオープンな物流ITシステムを連携し、商流情報と物流情報を統合することで、物流現場のオペレーション効率化を図ることも求められている。
「Hacobu Solution Studio」は、そうしたニーズに応えるほか、「Fit to Standard」を基本とするSaaS製品を活用してもらう中で、個社の強みや業務知見を標準機能にアドオンするほか、業界特有の要件に応じた個別カスタマイズにも対応するシステムインテグレーションサービス。
●Hacobu Solution Studioの3つの特徴
①SaaSと基幹を“つなぐ”、ワンストップの設計力
Hacobuは、クラウド物流ソリューション「MOVO」、物流DXコンサルティング「Hacobu Strategy」、さらに今回のシステムインテグレーション「Hacobu Solution Studio」をワンストップで提供する体制を構築しています。これにより、多くの企業が抱える「導入したSaaS製品と既存の基幹システムがつながらない」といった課題に対して、システム面とコンサルティングの両面から解決策を提供することが可能。
②SaaSメーカーとしての実装知と、現場解像度の高さ
Hacobuは、MOVOを自社開発・運用するSaaSメーカーとして、物流現場の実態に即した機能設計・改善に継続的に取り組んでいる。こうした知見に、物流に精通した専門人材の設計・開発力を掛け合わせることで、一般的なSIerとは一線を画す、現場に根ざしたシステム構築と提案が可能。
③スピードと柔軟性を両立した最速実装
AI技術の活用により、従来と比べて圧倒的にスピーディな開発サイクルを実現している。さらに、企業ごとの業務要件や運用実態に応じた柔軟なカスタマイズ対応が可能で、最短距離での物流システム構築を支援する。
●MOVOと外部システムの連携開発事例
花王・豊橋工場の次世代自動化倉庫で「場内トラック管理のスマート化」を実現
物流DXシステムインテグレーション事例として、花王㈱の豊橋工場における次世代自動化倉庫へのMOVO Berth導入プロジェクトが挙げられる。
花王は、サステナブルなサプライチェーン構築を目指し、完全自動化を実現する新倉庫を豊橋工場内に建設。場内トラックの入退場管理を無人化・自動化する仕組みとして、MOVO Berthと車番認証システム・倉庫制御システム(WCS)とのAPI連携によるスマートな運用体制を構築した。
これにより、トラックの到着情報に基づいて自動でバースを案内し、ドライバーへのSMS呼び出し、貨物の荷揃え指示、入退場処理までをすべて連携されたシステムで自動化。従来約1時間かかっていた場内滞在時間を20~30分程度に短縮し、ドライバー負荷の軽減と庫内作業の効率化を同時に実現した。
●参考資料
花王、完全自動化倉庫×バース予約システムで実現するホワイト物流
――API連携で実現する、トラックの場内時間の最小化――
https://hacobu.jp/case-study/13971/

※1:出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「スマートロジスティクス・ソリューション市場の実態と展望【2024年度版】』https://mic-r.co.jp/mr/03240/ バース管理システム市場の売上高および拠点数におけるシェア

