中国HAI ROBOTICSは3月18日、中国と日本で新世代トートロボットシステム「HaiPick Climbシステム」を発表した。

HaiClimberは製品形態の面で革新的な変化を遂げ、「荷物を人まで届ける」自動化倉庫をよりシンプルかつ柔軟で新しい段階へと進化させるとしている。

同システムは、新しいHaiClimberとセットで、ワークステーションやラック、トート、さらにはスマート倉庫管理プラットフォーム「HaiQ」で構成されており、迅速な導入、簡単な拡張、高いスループット効率、さらには超高密度保管等のメリットを提供する。簡単かつ効率的なソリューションによって、HaiPick Climbシステムは様々な業界のユーザーに革新的なスマート倉庫保管の体験を提供するとしている。

HaiPick Climbシステム

革新的な技術進展により、多くの業界のビジネスモデルが変革を続けており、サプライチェーンや物流システムは市場の変化に迅速に対応することが求められている。HAI ROBOTICS創業者でCEOの陳宇奇氏は発表会で次のように述べた。

「自動化システムは複雑で構築に時間がかかるため、多くのお客様が自動化改造がビジネスの急速な変化に対応できないのではないかと不安に思い、恐れを感じているのです。そこで、私たちは自動化の複雑さをロボット本体で解消し、お客様にはシンプルで効率的な体験を提供することを目指して、HaiPick Climbシステムを開発しました」

陳宇奇(Richie Chen)氏

HaiClimberはラックを登り、ターゲットのケースを正確にピッキングする能力を持っている。シンプルで効率的な作業方式は、様々なビジネスシーンで商品の入出庫、棚卸、仕分け等のニーズに対応可能。HaiPick Climbシステムは工場や倉庫内で必要な自動化機器を大幅に簡素化し、通常、高精度が求められるラックやコンベヤラインを容易に構築することが可能となり、平らな地面と簡易ラックだけで自動倉庫を迅速に構築でき、業務の運営効率を向上させるとしている。

HAI ROBOTICSのVPである劉敬涛氏は、HaiPick Climbシステムが外観デザインと作業モードの両方で革新を達成し、多くのパフォーマンスの利点を組み合わせて、工場や倉庫のよりインテリジェントで効率的かつ柔軟な運営をサポートできると述べた。

HaiClimberは昇降アームを通じて、片側のラックのガイドレールをドッキングし、反対側のラックと揃える必要がない。これにより、ラック設置の精度と難易度、床や他の設備への要求も大幅に低減されている。これにより、迅速な展開が可能となり、中小規模倉庫でも低コストで自動化への転換をサポートする。

HaiClimberのシステム構成

業務の成長と変化に直面して、HaiPick Climbシステムは柔軟に拡張可能で、シームレスに適応できる。ロボットを追加することでスループットを向上させ、ラックやロボット、ワークステーション等の設備を増やすことで業務容量を拡大できる。現行の作業を中断することなく対応可能としている。

HaiClimberはコンパクトで、ラックの上下を素早く移動することでトートを、1,000㎡のエリアでの約4,000箱/時の処理能力を実現する。

緊急受注のトートが2分以内でワークステーションまで届くことにより、迅速な交付や対応のニーズを満たす。

HaiPick Climbワークステーションのイメージ

ロボットはラックの底部を自由に移動できるため、ラックの間隔を0.85mまで縮小したほか、ラック高さは最大12mに達する。これにより、1,000㎡のエリアに最大3万個の保管ロケーションが構築可能で、空間利用率を大幅に向上させ、保管エリアの占有面積を大きく削減できるとしている。

HaiPick Climbロボット

HaiPick Climbシステムは、高いストレージ効率、高スループット、迅速な設置等の長所を活かし、アパレル、越境EC、医薬品、化粧品等、様々な業界で広く活用され、企業に高品質な倉庫保管運営と正確な納品を提供する。