ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン㈱は2月27日、小売業界向けの複数の新製品とAIイノベーションを発表した。「Zebra Mobile Computing AI Suite」はAIデータキャプチャソフトウェア開発キット(SDK)、および一部のAndroid搭載Zebraデバイス向けに最適化されたサンプルアプリケーションを含む包括的なツールセットで、AIアプリケーションの開発を円滑にし、ユーザー、開発者、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)が最先端のビジョンAI機能を簡単にモバイルアプリケーションへと統合することを可能にする。
それらのAI機能を活用することで、現場で働く従業員がワークフローの内容を簡単、正確、迅速に把握でき、かつ、その情報を小売業界の従業員をサポートするため、特別に設計された新たな包括的AIエージェントスイート「Zebra Companion(英語サイト)」に直接統合できるようにした。このマルチモーダル生成AI(GenAI)ソリューションは一部のユーザー企業と共同で開発されており、小売業界の従業員と連携することで生産性を改善し、顧客体験の向上を実現する。
Zebra Companionは、従業員が日常業務や問題発生時のタスクを優先順位付けして実行する際、重要な情報やトラブルシューティングのサポートへの素早いアクセスを可能にする。ゼブラは、AI技術の安全かつ責任ある利用を確保するため、顧客のデータプライバシー保護と倫理的なAIの実践に尽力している。Zebra Companionは、2025年第2四半期より一部の顧客を対象に提供を開始する予定で、早期アクセスパイロットプログラムへの参加が必要としている。このスイートには、以下の機能が含まれる。
①ナレッジエージェント:会話形式で業務支援ツールや標準業務手順書(SOP)とやり取りできる機能。より迅速なオンボーディングを促進し、必要な時に必要な情報を従業員に提供する。
②セールスエージェント:顧客とのやりとりの中で、商品に関する質問や、在庫状況や価格に関するリアルタイムの問い合わせ対応にとどまらず、別の商品やより高額な商品を提案できるよう従業員をサポートする。
③Zebraデバイスエージェント:トラブルシューティングとコンテキストデータを統合することで、ゼブラが提供するデバイスの最適な使用とメンテナンスを保証。デバイスの稼働停止時間を削減し、小売業務の中断を防ぐ。
④マーチャンダイジングエージェント:高度なオンデバイス画像認識技術を組み合わせることで、商品棚の健全性を評価し、現場チームのワークフローを強化する。具体的には棚の隙間、配置ミス、棚割の問題、間違った価格設定や表示など商品管理上の課題への対応が可能となる。
ゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン社長の古川正知氏は、「当社は長年にわたり、AIを製品に組み込み、お客様とパートナーの業績向上に貢献してきました。ゼブラのAI対応ソリューションは、新しい働き方を生み出すことで、最前線の業務の未来を形作っています。幅広いパートナーコミュニティおよびお客様と協力し、AIおよびGenAIの能力を強化して、ワークフローの自動化、プロセスの合理化、効率性の向上を実現し、日々の業務をより効率化できることを誇らしく思います」と述べている。