国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2月26日、経済産業省と連携しながら「自動配送ロボットによる配送サービスの実現」プロジェクト(※1)として、物流分野における人手不足等の課題解決を目指し、自動配送ロボットの社会実装に向けた取り組みを行っているが、このうち2024年7月に立ち上げた「より配送能力の高い自動配送ロボットの社会実装検討ワーキング・グループ(WG)」において有識者や事業者との議論を重ね、目指すべき姿や、社会実装に向けたロードマップについて取りまとめた。
.jpg)
●取りまとめ概要
WGでは、主に以下3つ(期待されるユースケース、産業界が求めるロボットの仕様と運用、社会実装に向けたロードマップ)について、有識者と事業者の意見を取りまとめた。取りまとめ資料(※2)は、概要版、詳細版、参考資料の3点が経済産業省より公開されている。
①期待されるユースケース
「より配送能力の高い自動配送ロボット」のユースケースとして、個人宅等への配送、移動販売、B2B搬送の、主に3つを取り上げた。
低速・小型ロボットよりも、速度と大きさが増すことにより、最大積載量や稼働率の向上、1件あたりの配送時間の短縮などが可能となる。そのため、宅配便等の多頻度小口配送、無人移動店舗としての商品販売、クイックコマースの配送地域拡大等、現在よりも活躍の幅が広がることが期待される。
②産業界が求めるロボットの仕様と運用
期待されるユースケースを実現するため、公道を走行する際のロボットの仕様と運用の仮説を、産業界のニーズとして取りまとめた。例えば、中速・中型ロボットにおいては、軽自動車より小型の機体が、最高速度時速20kmで、道路の左側に寄って通行する、という仮説を立てている。
安全性の担保や、既存交通との調和といった観点は非常に重要であるため、関係省庁などとの協議を重ねながら、社会実装に向けた今後の取り組みを推進していくとしている。
③社会実装に向けたロードマップ
今後、産業界各者による実証実験の積み重ねを通じて、目指すべき姿の精緻化を行うことが最も重要。ロードマップでは、早期の社会実装を目指して、直近3年間を「集中的な実証実験期間」と定めた上で、関係者間における知見共有や目指すべき姿の精緻化を経て、関係省庁等との具体的な協議を行うことを示している。
※1:事業名「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」
事業期間:2022年度~2024年度
事業概要:革新的ロボット研究開発基盤構築事業
※2:取りまとめ資料
経済産業省新規タブで開く「より配送能力の高い自動配送ロボットの社会実装検討ワーキング・グループ」にて公開
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/delivery_robot/index.html