フューチャーアーキテクト㈱と㈱住友倉庫は1月10日、同月よりフューチャーアーキテクトが独自開発したOCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)ソリューション「Future EdgeAI」(※1)を住友倉庫の国際貨物上屋での輸出貨物取扱業務における搬入確認作業に導入したと発表した。

住友倉庫は、倉庫業を核に、港湾運送業、国際輸送業、陸上運送業を含む総合的な物流事業と、物流用地の再開発を中心とする不動産事業を展開し、国際物流ネットワークを活用した物流ソリューションの提供を行っている。

フューチャーアーキテクトは様々な業界の経営とITをデザインし、戦略立案から実装までを手掛けるコンサルティング企業。特に物流領域では長年の業務知見と最新技術に精通した専門チームが顧客の物流改革とDXを多面的に支援している。

今回のプロジェクトでは、住友倉庫の大阪市にある拠点の1つ、南港第二営業所国際フェリー上屋における輸出貨物取扱業務の搬入確認作業に「Future EdgeAI」を導入し、搬入時に行うケースマーク(※2)情報の読み取り・システム登録作業を効率化した。

国際貨物には、配送先や重量といった貨物の詳細を示す記号や番号、文字など多くの情報が記載されたケースマークが貼り付け、または印字されているため、国際貨物の荷捌き業務では多くの目視確認や手作業が発生。これまで同拠点では、ケースマークの確認およびシステムへのデータ登録作業に掛かる負荷が課題となっていた。

フューチャーアーキテクトでは、今回の「Future EdgeAI」の導入により、倉庫作業員がケースマークをスマートフォンで撮影するだけでケースマークの情報をデータ化できるようにした。その結果、導入前と比較して約60%の作業時間削減効果が期待され、業務の省力化と迅速化を実現した。

●ケースマーク読み取りフロー

倉庫作業員がケースマーク情報を読み取り、データを画像・テキスト・2次元コードとして現場でラベル出力。事務作業員が2次元コードをスキャンすると自動でシステムにデータが登録される。

※1:EdgeAIとは、AIを搭載した端末が収集したデータを端末内で処理し、推論・学習を行うことで、瞬時に判断を出す技術。「Future EdgeAI」はフューチャー㈱の登録商標。

※2:ケースマークとは、貨物を識別できるよう外装に貼付けされた記号・番号や文字のこと。貨物の内容、取り扱い上の注意点、重量、仕向地等、多くの情報を含む。シッピングマークとも呼ばれる。