ユアサ商事㈱は7月3日、㈱Thinkerと共同でバラ積みピッキングロボットを開発したと発表した。
●概要
これまで薄く繊細な成型物(せんべいや薄型の樹脂成型品等)は破損しやすく、ピッキングの自動化が難しい分野だった。今回の開発により、近接覚センサ(ロボットの指先センサ)と2次元(2D)カメラを利用したシステムにより、対象物への距離感を素早く解析しスピードを調整することが可能となった。その繊細な動きを利用し、薄く繊細な成型物のピッキング自動化、ひいては製造業の省人化に貢献する。
●開発によるソリューション
従来のロボットシステムでは、奥行きの距離感を認識することが難しく、対象物を傷つけないようにするためには対象物の重なりを防ぐベルトコンベア等の大きな設備、さらには高額な3次元(3D)カメラシステムの導入が必要だった。また、画像解析に時間がかかることも障壁となっていた。開発したバラ積みピッキングロボットは以下のソリューションを実現する。
◎2Dカメラシステム
◎近接覚センサ(赤外線と独自のAI)
↓
・バラ積みされた中から一番上のワークを特定し、ロボットハンドを動かす。
・3Dカメラではなく、2Dカメラを使えることで、大幅な低価格を実現する。
・ワークへの距離や面の傾きを把握し、ハンドがワークにぶつかるのを防ぐ→ワークの破損防止
これまで価格面やスペースの制限等により、ピッキングの自動化システムの導入が困難だったピロー包装機へのワーク導入・次工程へのピック&プレイス等への導入が可能としている。
●今後の展開
薄くて割れやすい煎餅等の食品のピック&プレイスをはじめ、製造工程において、山積みとなっているワーク(樹脂・薄い金属等)の多様な用途に導入していく予定。