㈱日立製作所と㈱日立オートメーションは7月2日、製造・物流分野のロボットを活用したラインビルディング(ロボティクスSI)を中核とした、自動化・最適化協創施設「Automation Square(※1) HANEDA(オートメーションスクエア羽田)」を羽田イノベーションシティ(東京都大田区)に、「Automation Square KYOTO(オートメーションスクエア京都)」を京都リサーチパーク(京都府京都市)に開設した。
自動化・最適化の実現に向けて、プロダクト・OT(※2)・ITを組み合わせ、現場と経営、サプライチェーン、異業種の間で発生する「際(※3)」の課題をデジタル技術で解決する日立の「トータルシームレスソリューション(※4)」を、Lumada(※5)の実例として実機展示や映像・プレゼンテーションで紹介し、顧客・パートナーとの協創機会を創出する。これにより、製造・物流分野の現場のフロントラインワーカーの生産性向上や顧客の事業価値向上に貢献する。
●「Automation Square HANEDA」について
同施設では5つのゾーンを通じて、日立の「トータルシームレスソリューション」の「実物」を、顧客に見て・触れて・感じてもらうもの。展示内容は定期的に更新し、最新の技術やソリューションを提案する。
①TSS Vision Theater
3面モニタを使って、トータルシームレスソリューション(TSS)のビジョンを映像放映やプレゼンテーションで紹介するゾーン。
②Manufacturing Zone (製造分野)
スマートな「次世代ファクトリー」の実現に向けた、ロボティクスSIを中核とするソリューションの映像・実機デモのゾーン。部材の入荷・供給、製品の組立・マーキング、検査の一連の工程を、ロボット設備で自動化したデモラインを展示する。ここでは、日立グループのロボティクスSIのケイパビリティに加えて、統合製造実行管理システム「FactRiSM(※6)」と自動化ラインをリアルタイムにつないでサイバーとフィジカルを融合させる事例を紹介する。デモラインは、日立オートメーションの高精度3Dビジョン(※7)を活用したティーチングレスの移動式協働知能ロボットによるデパレタイズ(荷下ろし)、コンパクトなスペースに複数プロセスを設置できるJRオートメーション(※8)の組立プラットフォーム「ロータリーインデクサー」と㈱日立産機システムのインクジェットプリンタ、オイルフリースクロール空気圧縮機を活用した組立・マーキング工程、Beckhoff Automation GmbH & Co. KGのリニア搬送システム「XTS(※9)」を含む製品外観検査工程で構成される。
さらに、統合エネルギー・設備マネジメントサービス「EMilia(※10)」、「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス(※11)」等の省エネやDXに貢献するITソリューションを紹介する。
③Logistics Zone (物流分野)
サプライチェーンの最適化に向けた、ロボティクスSIを中核とするソリューションの映像・実機デモのゾーン。輸配送を最適化するTMS(※12)を含む「Hitachi Digital Solution for Logistics(※13)」や、倉庫内在庫管理を最適化するWMS(※14)統合物流管理システム 「HITLUSTER(※15)」といったITソリューションを紹介する。また、日立独自の制御ロジックによるピッキング設備最適化ソリューション「LogiRiSM(※16)」を中心としたオーダー仕分けのデモを実施する。さらに、それらの作業実績と設備稼働データを連携した作業・設備状況の見える化の事例を紹介する。デモにおいては、㈱日立インダストリアルプロダクツの統合設備制御システム「日立統括型WCS(※17)」、小型無人搬送ロボット「Racrew(※18)」、㈱アイオイ・システムの「プロジェクションピッキングシステム(※19)」(PPS)、プラスオートメーション㈱の次世代型ロボットソータ「t-Sort(※20)」、三機工業㈱のソーティングロボット「メリス・ビアンカ(※21)」の実機を展示する。
④Collaboration Lounge
顧客と共に、課題解決のビジョン検討をはじめとする協創に向けた具体的な議論を行うゾーン。
⑤Advanced Technology Zone
日立グループの先進機器・ソリューションを展示するゾーン。人の動作を検知し、データ化するセンサソリューションや、日立産機システムが生成AIを活用して開発した、対話形式で製品の適切な保守を促す「Talkative Products-話す機械-」の取り組み、工場・倉庫の先進の建築設計事例等を紹介する。
◎施設概要
所在地:東京都大田区羽田空港1丁目1番4号 羽田イノベーションシティ Zone B 3F
アクセス:京浜急行電鉄空港線・東京モノレール天空橋駅直結
開館時間:平日10:00~17:30 (ただし、日立営業日に準ずる)
申し込み方法:同社営業担当者へ要連絡
●「Automation Square KYOTO」について
高精度3Dビジョンを活用したティーチングレス・マスタレスのパレタイズ・デパレタイズ知能ロボットの実機デモ、および「Racrew」によるパレット搬送との連携のデモを実施。また、実際に顧客の商品を預かり、日立オートメーションの高精度3Dビジョンセンサによる画像識別テストを行える環境を提供する等、課題のスピーディな解決につなげていくとしている。
◎施設概要
所在地:京都府京都市下京区中堂寺栗田町91番地 京都リサーチパーク9号館 101号室
アクセス:JR西日本嵯峨野線(山陰線)丹波口駅下車徒歩8分
開館時間:毎週火曜日・水曜日10:00~17:30(ただし、日立営業日に準ずる)
申し込み方法:同社営業担当者へ要連絡
※1:「Automation Square」は㈱日立製作所が日本で商標登録出願中。
※2:OT(Operational Technology):制御・運用技術
※3:Lumada:顧客のデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称 https://www.hitachi.co.jp/products/it/lumada/
※4:「際(きわ)」は㈱日立製作所の日本での登録商標。
※5:「トータルシームレスソリューション」は㈱日立製作所の日本での登録商標。
※6:「FactRiSM」のWebサイト:https://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_site/factrism/index.html
※7:2023年に日立オートメーションに統合した旧Kyoto Robotics㈱が開発した画像処理技術。
※8:2019年に日立が買収した、米国に本社を置くロボティクスSI企業。https://www.jrautomation.com/
※9:「XTS」は Beckhoff Automation GmbH & Co. KG の登録商標。
※10:「EMilia」のWebサイト:https://www.hitachi.co.jp/products/infrastructure/product_site/emilia/index.html
※11:「Hitachi AI Technology/計画最適化サービス」のWeb サイト:https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/mlcp/index.html
※12:Transport Management System:輸配送管理システム
※13:「Hitachi Digital Solution for Logistics」のWebサイト:https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/hdsl/index.html
※14:Warehouse Management System:倉庫管理システム
※15:「HITLUSTER」のWebサイト:https://www.hitachi.co.jp/products/it/industry/solution/hitluster/index.html
※16:「LogiRiSM」は㈱日立製作所が日本で商標登録出願中。
※17:Warehouse Control System:倉庫制御システム
※18:「Racrew」は㈱日立インダストリアルプロダクツの日本での登録商標。
※19:「プロジェクションピッキングシステム」は㈱アイオイ・システムの登録商標。
※20:「t-Sort」はプラスオートメーション㈱の登録商標。
※21:「メリス・ビアンカ」は三機工業㈱の登録商標。