㈱寺岡精工は6月4日から7日まで東京ビッグサイトで開催されるFOOMA JAPAN 2024において、計量・ガスフラッシュ・トップシール・値付機能を一体化した世界初の一体型MAPトレーシーラー「LX-5600」を初公開すると発表した。

一体型MAPトレーシーラー「LX-5600」

●一体型MAPトレーシーラー「LX-5600」
https://www.teraokaseiko.com/jp/products/PRD00472/

小売店のバックヤードや小規模食品工場で使用可能なコンパクトな設計で、生鮮食品のロングライフ化(消費期限延長)、フードロス削減を実現する。

海外では欧州を中心にインストアのMAP包装(※1)が広く普及しており、製造日から1週間以上日持ちする商品が多く販売されている。日本でも生活スタイルの変化やフードロス問題への関心の高まりによって、コンビニエンスストアの惣菜商品等を中心にMAP包装の導入は進みつつある一方、大掛かりな設備や広いスペースの確保が必要なため、小売店内で製造・包装される生鮮食品のMAP包装はほとんど行われていないのが現状としている。

「LX-5600」は計量・ガスフラッシュ包装(※2)・自動値付機能を一体化した、世界初の革新的な包装機としている。省スペースな設計で、スーパーマーケットなど小売店のバックヤードや、小規模な食品工場への導入も可能となった。

MAP包装による消費期限の延長により、店頭や家庭でのフードロスが削減できるだけでなく、消費者にとってはまとめ買いができる等ライフスタイルに沿った利便性を付加。小売店にとっては、消費期限の延長により廃棄ロスや値引きロスを削減するだけでなく、計画的な生産・配送・在庫管理が可能となり、人手不足解消や店舗運営全体の効率化を実現する。

※1:ガス置換包装(Modified Atmosphere Packaging)。パッケージ内の空気を窒素や二酸化炭素等の食品の保存に適したガスに置換して包装する技術で、菌の増殖を抑え、消費期限の延長が可能。

※2:ガスフラッシュ包装とは、容器内にガスを吹き込んで充填するMAP包装方式。一度機械内部を真空にしてガスを充填する「置換方式」とは異なり、「ガスフラッシュ方式」ではコンプレッサや真空ポンプ等の設備が不要となる。

スーパーマーケットの惣菜部門の年間廃棄量は約12トン(※3)とも言われ、MAP包装を用いた消費期限の延長により売場に並ぶ期間(シェルフライフ)が延び、販売期限内に売り切ることで、店舗での食材廃棄量を大幅に削減する。

また、トップシール包装は、トレーの上面のみにフィルムを熱溶着して包装するため、フィルムでトレー全体を包み込む従来のストレッチ包装と比較してフィルム使用量を削減する。「LX5600」は紙トレー「KIRIGAMI」にも対応しているため、包装とトレーの両面から脱プラスチックの取り組みが可能としている。

「LX-5600」は、計量、ガスフラッシュによるMAP包装、最大3枚のラベルを同時貼付する値付を1台で完結する。占有面積はわずか1.3㎡で、エアーコンプレッサや真空ポンプ等の設備が不要で、設置場所の自由度が格段にアップした。

紙トレー「KIRIGAMI」

※3:同社調べ