ラピュタロボティクス㈱は3月8日、パナソニック コネクト㈱物流倉庫内の効率化を目的に業務提携を開始したと発表した。

自動倉庫「ラピュタASRS」

パナソニック コネクトは物流業界の真の課題であるトラックの荷待ち時間を大幅に削減するオープンプラットフォーム「タスク最適化エンジン(仮称)」(※1)を開発し、同システムを通じて利用できるロボティクス技術を擁する複数の企業と提携することにより、物流企業の課題を解決することを目指している。

今回の提携により、パナソニック コネクトのタスク最適化エンジン(仮称)およびロボット制御プラットフォームと、出荷頻度が高く複雑な入出荷業務にも適用可能なラピュタロボティクスの自動倉庫「ラピュタASRS」を連携させることにより、物流現場におけるピッキング作業の効率化が実現する。

物流倉庫では、後でトラックに載せるものが先に出てきてしまう等の順序不同が起こりやすく、荷待ち時間の発生や現場を混乱させる原因となっている。タスク最適化エンジン(仮称)はタスクのシフト計画やピッキング手順の最適な割り当てを行い、出荷(トラックに載せる)される順番にラピュタASRSより出荷が行われるようデータ連携を行う。人やロボットハンドはこれに合わせて作業を行うため、トラックの出発時間に合わせて出荷が行われることを目指している。

●パナソニック コネクト CTOの榊原彰氏のコメント
「クラウドロボティクスプラットフォームを提供するラピュタロボティクス様と共に日本のサプライチェーンの非常に大きな課題、庫内作業の効率化やトラックの荷待ち時間の解決に向けて開発に取り組めることを大変光栄に思います。ラピュタロボティクス様はすでに業界でも確固たる地位を築かれ、非常に優れた技術を保有されておりますが、両社が持つ技術や知見をかけ合わせて、サプライチェーンにおける様々な社会課題を解決していきたいと考えています」

●ラピュタロボティクス 代表取締役CEOのモーハナラージャー・ガジャン氏のコメント
「この度の業務提携について大変嬉しく思っております。パナソニック コネクト様のパーパス『現場から 社会を動かし 未来へつなぐ』は、私たちラピュタロボティクスのパーパス『マシンとマシンを繋げ、人々の生活を豊かにする。』にも通じ、共感するものがあります。『きつい』『汚い』『危険』な仕事は自動化され、人々がより知的で創造的な仕事にチャレンジできる選択肢を与えられるべきだと強く信じています。そのために、パナソニック コネクト様と良いシナジーを生み出し、物流における様々な課題解決に向けて取り組んでまいります」

今後、両社の事業拡大を目指し、プロジェクトを展開していくことを予定しているほか、ラピュタロボティクスの保有する複数のロボットに対する群制御技術と、パナソニック コネクトが持つインダストリアルエンジニアリング(※2)の知見、ロボティクス関連技術とを組み合わせ、人とロボットが協調して動作するソリューションを実現するために必要な技術開発に共に取り組んでいくとしている。

●自動倉庫「ラピュタASRS」
https://www.rapyuta-robotics.com/ja/solutions-asrs/

※1:パナソニック コネクトの「タスク最適化エンジン(仮称)」、「ロボット制御プラットフォーム」についてパナソニック コネクトNewsroom参照。
https://connect.panasonic.com/jp-ja/newsroom

※2:パナソニック コネクトのインダストリアルエンジニアリングの特長は、現場の作業を可視化し、各作業の標準値をものさしとして設定し、実作業とのギャップの原因を特定し、改善を繰り返し実行していくこと。継続的な現場改善による最適化を行うことで経営に貢献する。