パナソニック コネクト㈱は3月8日、サプライチェーンソリューションのリーディングプロバイダーで同社子会社の米Blue Yonderと連携し、物流の課題を解決する新技術「タスク最適化エンジン(仮称)」(※1)を開発したと発表した。

タスク最適化エンジン(仮称)は、Blue Yonderの倉庫管理システム(Warehouse Management System:WMS、※2)上の入出荷情報に応じて、AIアルゴリズムがロボットアームや自動倉庫、人による作業等のタスクを最適に割り当て、商品の出荷作業の同期を実現する(Warehouse Execution System:WES)。これにより、物流の大きな課題である“トラックの荷待ち時間”を劇的に削減することを可能にする。同社ではこのタスク最適化エンジン(仮称)をオープンプラットフォームとして提供する。

同社はBlue Yonderのソフトウェアと、現場を熟知する同社が長年培ってきたインダストリアルエンジニアリング(IE、※3)の連携によるサプライチェーンマネジメントの進化を念頭に、2020年に2割出資、さらに2021年に8割と、合計約8,600億円(当時)でBlue Yonderを買収した。今回発表した技術開発は、その進化を実現する1つのソリューションとなる。

サプライチェーンは、様々なステークホルダーや関係者が絡む非常に複雑な構造をしているため、多くのムダが存在している。それを効率化しムダを減らすことができれば、企業活動や個人の生活、地域環境に大きく貢献できると同社では考え、Blue Yonderとの戦略的シナジーによってその複雑なサプライチェーン環境をEnd to End(E2E)で最適化することを見据えている。

サプライチェーンには、実は「造る」、「運ぶ」、「売る」の全領域に倉庫が存在する。その倉庫内で作業する人やロボット、物流機器等を効率よく管理・制御し、最適化する倉庫ソリューションが重要と考え、今回の技術を開発したとしている。

また、同社では、タスク最適化エンジン(仮称)をオープンプラットフォームとして提供することにより、社会課題の解決を図る様々なロボティクス提供企業と連携を進め、日本の物流の課題を共に解決していくことを目指す。その最初のパートナーとして、この度、自動倉庫「ラピュタASRS」を提供するラピュタロボティクス㈱と業務提携(※4)を開始した。

さらに、タスク最適化エンジン(仮称)と連動して倉庫内で商品のピッキングを行うロボットハンドを制御するロボット制御プラットフォーム(※4)も開発し、これについてもオープンプラットフォームとして提供する。

タスク最適化エンジン(仮称)と共に、数多くのパートナー企業に活用してもらい、サプライチェーン課題の解決に向け共創できればと考えている。

※1:現在、技術開発中のもので13件特許出願中。

※2:倉庫内の一連の作業、具体的には入荷・在庫・流通加工・帳票類の発行・出荷・棚卸等を効率化し、一元管理するソフトウェア「倉庫管理システム」

※3:同社インダストリアルエンジニアリングの特長は、現場の作業を可視化し、各作業の標準値をものさしとして設定し、実作業とのギャップの原因を特定し、改善を繰り返し実行していくこと。継続的な現場改善による最適化を行うことで経営に貢献する。

※4:同社の「ラピュタロボティクス株式会社との業務提携」、「ロボット制御プラットフォーム」についてパナソニック コネクトNewsroom参照
https://connect.panasonic.com/jp-ja/newsroom
なお、ロボット制御プラットフォームは、現在、技術開発中のもので17件特許出願中。