Automagi㈱は2月16日、成田国際空港㈱(NAA)と共に、画像認識技術を活用した預入手荷物判別システムの開発に向けた実証実験を2024年1月より成田空港第3ターミナルで開始していることを明らかにした。
成田空港では、航空会社が乗客から預かった手荷物をバーコード情報の読み取りを通じて航空機への搭載が行われており、その際、預け時に取り付ける手荷物タグのバーコードを読み取るが、読み取り時に不具合が発生した場合、人手での読み取り作業が発生し、従業員の負荷となる。また、世界においては顧客の手荷物を誤った航空機に搭載したり、紛失したりする事例(※)がある。
上記課題を解決するため、手荷物タグの情報に加え監視カメラ映像とAIを活用することにより、顔認証のように手荷物の姿から任意の手荷物の特定が可能となれば、仕分けに要する業務負荷の低減や手荷物の紛失・遅延に対する抑止力となる。
その技術の確立を目指し、2023年6月にオープンイノベーションプラットフォームAUBAで開催した「Narita Airport OPEN INNOVATION PROGRAM 2023」の従業員の生産性向上を目指した採択事業の第1号案件として、AutomagiはNAAと共に手荷物判別システムの実証実験を進めていくとした(手荷物判別システムのイメージは下図参照)。
※SITA Baggage IT Insights 2023
https://www.sita.aero/resources/surveys-reports/baggage-it-insights-2023/
世界中で乗客に正しく届かない事例（紛失、遅延等）が手荷物1,000個当たり7.6個ほど発生している。
●手荷物判別のシステムイメージ
●今後の展開
NAAとAutomagiは同システムの効果と利便性を高め、業界における課題の解決を目指すとしている。NAAは今回の実証実験を通じて、今後の空港運営における画像認識技術の有用性やさらなる適用の可能性を評価し、積極的な活用を模索する。成田空港は今後も多くの乗客が行き交う拠点として、オープンイノベーションの仕組みを積極的に活用して最新の技術を導入し、サービスの向上を図っていくとしている。
