㈱Hacobuは2月22日、配送案件管理サービス「MOVO Vista(ムーボ・ヴィスタ)」に、「実運送体制管理簿」を簡単に出力できる機能を実装したと発表した。

「実運送体制管理簿」は、実運送事業者の名称や配送する貨物の内容や区間等を記載した表。どの実運送事業者に、どのような配送案件を依頼したかを一覧にすることが可能としている。

物流の停滞が懸念される「物流2024年問題」に対応するため、2月13日、「貨物自動車運送事業法」の改正案が閣議決定された。同改正案で実運送管理簿の作成が義務化されることに合わせて、実運送体制管理簿を簡単に出力できるようにしたとしている。

国土交通省の調査によると、7割のトラック運送事業者が下請の事業者を利用していることが分かっている。さらに、中小零細事業者ほど3次請け以上となっている割合が多い傾向としている。

荷主企業から直接貨物の配送を引き受けた物流事業者を「元請事業者」、実際に貨物の配送を行う会社を「実運送事業者」といい、物流業界では元請事業者から2次請け、3次請けの実運送事業者に配送を委託する「多重下請け構造」が常態化している。

その「多重下請け構造」を解消して実運送事業者が適正な運賃を受け取れるようにし、ドライバーの賃上げ・離職率の低下を図るため、「貨物自動車運送事業法」が改正される。改正案の中では、元請事業者に実運送事業者の名称等を記載した「実運送体制管理簿」の作成を義務づける旨が記載されている。

元請事業者は配送案件を委託する際、配送に関する情報を一覧にして管理する必要があるとしている。

●管理する必要がある情報の例
・実運送事業者の名称
・請負階層(その実運送事業者が、荷主企業にとって何次請けに該当するのか)
・荷主企業の名称
・配送する貨物の内容や区間

「MOVO Vista」に実装された「実運送体制管理簿」機能の仕組み

●実装された新機能の特長

①実運送体制管理簿を簡単に出力
実運送体制管理簿を、MOVO Vista上で出力することができるようにした。どの実運送事業者に、どのような配送案件を依頼したかを一覧にすることができる。ボタン操作1つで実運送体制管理簿をエクセル出力することが可能。

配送案件やドライバーを登録する際、荷主企業名や請負階層を登録することができるようにした。実運送体制管理簿に必要な、それらの情報を配送案件依頼のやり取りのなかで登録することが可能となる。

②「貨物自動車運送事業法」の改正案で定められている書面交付にも対応
さらに、「貨物自動車運送事業法」の改正では、荷主企業や物流事業者に対し、運送契約の締結時に提供する役務の内容やその対価(付帯業務量、燃油サーチャージ等を含む)等について記載した書面による交付を義務づけている。MOVO Vistaは、配送依頼書をワンクリックで作成できる機能があり、「貨物自動車運送事業法」の改正案で定められている書面交付にも対応している。

●今後の展望
本機能は、法改正に伴って生じる元請事業者の業務変更を支援するためにリリースした。今後もMOVO Vistaは法律やガイドラインの改正に迅速に対応。物流2024年問題を乗り越えるため、MOVO Vistaは荷主企業・物流事業者の配送案件管理の業務効率化・見える化を支援していくとしている。