㈱Mujinは2月22日、子会社である「㈱Mujin Japan」を新たに設立したと発表した。

Mujin Japanは、建設業許可を有するソフトウェア基盤のエンジニアリング会社として、独自の統合プラットフォームを持つからこその自動化コンサルティング ~ 複雑で高度な自動化設備を構築するインテグレーション ~ リアルタイムデジタルツイン環境が可能にするリモート運用サポートまでをワンストップで提供する。

これにより、変種変量時代を切り拓く顧客のサプライチェーン全体最適化と、現場データの可視化による分析・改善・経営判断が可能になるとしている。

製造・物流現場を取り巻く環境は、人手不足、人件費/配送費の高騰、技術漏洩防止 等を背景に自動化ニーズが高止まりする一方、変種変量/多品種生産が進み、従来の手法では自動化が思うように進んでいないという実態があるほか、サプライチェーン全体の最適化を図るには多岐にわたる領域の理解/ノウハウと課題解決の自働化手法が求められるため、提供できるサプライヤーが非常に限定的だったとしている。

そこでMujinは、数多くの現場導入で蓄積されたソフト/ハードウェア両面でのノウハウと、各種自動化機器の統合制御技術を駆使し、次世代工場・倉庫を構築するためMujin Japanを設立したとしている。

Mujin Japanは、多種多様な知能ロボット・AGV・その他自働化機器、それらを統合管理するWCS(Warehouse Control System/倉庫制御システム)を主体に、自動化統合プラットフォーム「Mujinコントローラプラットフォーム」を提供。これにより、工場・倉庫内の全体最適化・現場データの可視化・リモート運用を可能とし、ソフトウェア基盤のインテリジェントオートメーションを実現する。

●Mujin Japanの次世代トータルエンジニアリングサービス
(1)自動化コンサルティング
大手自動機器/自動車メーカーの設計/生産技術部出身者等、製造・物流現場で経験豊富な専門チームが、現状調査・分析・自動化要件定義支援 等の提案を行い、顧客のサプライチェーン改革の構想・戦略・実行を支援する。

(2)自動化設備設計
ロボットハンドや周辺設備に至るまで、ロボットセルを知り尽くした設計チームが、最適な自動化機器/設備を設計・制作・テストを行い、顧客の現場にあった最適な自動化ソリューションを提供する。

(3)インテグレーション
ソフト/ハードウェア両面での豊富な知見を持ち、かつ現場での経験も豊富な専門チームが、知能ロボットやAGV等の最新自動化機器を駆使し、従来では構築が高難度であった革新的な自働化システムの設置工事に関する企画・設計・施工を担う。

(4)データ化による保守
従来のようなロボット、カメラ、センサ、AGVが全て異なるコントローラで制御されているのではなく、Mujinコントローラプラットフォームで全体を制御することにより、全ての動作、信号、状態をデジタルツイン上でリアルタイムに把握することが可能。そのため、万が一のトラブル発生時も速やかに復旧対応および原因追及することが可能となり、さらなる生産性向上に貢献する。

●Mujin Japan 取締役CEO 荒瀬勇氏のコメント

荒瀬 勇氏

「ロボットによる自動化は工場・倉庫内での一部分であり、どのように前後工程含め全体を最適化するのかが、次世代工場・倉庫の鍵となります。今回、Mujin Japanを設立することで、業界屈指の技術力を誇るMujinパートナー会社様と共に全体の自働化提案・実現が可能となります。Mujinのソフトウェア技術を基盤に、様々なハードウェアを組み合わせ、部分最適ではなく全体最適を実現することを目指し、日本の産業の生産性向上に貢献してまいります」

●荒瀬氏の経歴
大学にて機械工学を専攻。卒業後は台湾や米国でのエンジニアインターンシップを経て、日本国内大手機械メーカーのシステムエンジニアとして海外工場立ち上げや新機種開発等の大型プロジェクトに従事。2017年に㈱Mujinに参画後は、営業部長、プロジェクトマネジメント部長、システムエンジニアリング本部長として数多くのプロジェクトを手がけ、中核メンバーとしてMujinの重要な柱の1つであるシステムエンジニアリング事業全体を統括。