㈱タイミーは2月21日、セカンダリー取引ラウンドを実施し、AZ-COM丸和ホールディングス㈱、セイノーホールディングス㈱、NIPPON EXPRESSホールディングス㈱、福山通運㈱(※1)の物流企業4社が同社の新規株主として参画したと発表した。

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2024年4月、トラックドライバーの働き方改革関連法が適用されることから、物流業界は深刻な人手不足に直面するとみられている。何も対策を講じなかった場合、2030年度には34%の輸送力不足の可能性があるとされており、インフラとしての物流を支えるため、解決が求められている。政府は、中長期的な環境整備が必要であるとし、物流の適正化・生産性向上、効率化を見据えた「物流革新に向けた政策パッケージ」を提示した(※2)。

そうした背景から、タイミーに掲載された物流系業務の募集人数は年々増加傾向にあり、2023年は前年比約1.8倍と、過去最高を更新している。

今回、資本参画した物流大手4社とのパートナーシップの強化は、短期的にはスキルを要しない仕事の切り出しによるトラックドライバーの負担減少。中長期的には、政府の「物流革新に向けた政策パッケージ」にあるような「女性や若者等の多様な人材」との接点づくり、「消費者の行動変容」につながるような機会の提供を可能にするものとしている。

今後は共同で、物流業界でのタイミー利用拡大、さらには物流業界で働く上でのスポットワーカーのスキル向上や、その後の長期就業を目的とした取り組み等の実施。物流業界における人材課題の抜本的な解決に貢献することを目指すとしている。

※2:内閣府「物流革新に向けた政策パッケージ」:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/kettei.html

●資本参画した投資家のコメント
○AZ-COM丸和ホールディングス㈱ 取締役常務執行役員 事業推進グループ長 岩﨑哲律氏
当社グループでは物量の波動に対応するため全国の物流センターでタイミー社のワーカーの皆様にご活躍いただいております。物流業界では慢性的な人手不足が大きな課題であり、物流業界に特化した「はたらく」マッチングサービスを設計、提供する同社との協業は両者の持続的な成長を可能にするものと考えています。今後もさらに連携を深め、共に成長するパートナーでありたいと思います。

○セイノーホールディングス㈱ 代表取締役社長 田口義隆氏
セイノーグループでは、ロジスティクス分野での軽作業や荷役作業、またドライバーの補助作業員などのアルバイト従業員採用に関して協力関係を築いており、有効な成功実績も積み上がってきました。今回は、このパートナーシップが強化されることで、「タイミー」を活用した定着力・採用力が確実に向上すると確信しています。物流業界で働くスポットワーカーのスキル向上や、その後の長期就業を目的とした取り組みの実施等、人材課題解決の成功事例を内外に発信して参ります。

○NIPPON EXPRESSホールディングス㈱ 常務執行役員 大辻智氏
物流業界における人手不足という社会課題への取り組みの1つとして、デジタル技術に強みのあるタイミー様に資本参画させていただきました。NXグループとして多くの物流現場をもつ当社と、タイミー様との共創により新たな価値創造を目指します。柔軟な働き方を求める多様な人財とのタッチポイントを増やし、事業継続力を高め、お客様に選ばれる企業グループへと成長していきたいと考えております。

○福山通運㈱ 代表取締役副社長 熊野弘幸氏
物流業界は、2024年問題をはじめドライバー不足や環境問題など様々な課題に直面しております。このような変革期において、持続可能な輸送サービスの構築が求められるなか、タイミー様が提供する革新的なサービスは、諸課題の解決に繋がるものと考えております。タイミー様と出資者の皆様と連携し、物流の効率化を推進するとともに物流業界の持続的発展に寄与してまいります。

○㈱タイミー 代表取締役 小川嶺氏
コロナ禍を転機として物流業界専門チームを組成して以来、タイミーは物流企業様の人材課題解決に伴走させていただいてきました。数々の物流業界の経営者の方々にお会いする中で、もっと深く業界に貢献したいとの思いが強くなった結果、弊社に信頼をお寄せいただいている企業様のお力添えのもと、今回の資本参画が実現されました。2024年問題解決の一助として、荷役分離を目的としたスポットワーカーの活用をはじめ、タイミーの貢献可能性は高いものと考えております。今後も、物流業界の課題にどこよりも寄り添うサービスの設計を目指してまいります。