㈱山善は2月21日より、「図面管理」「不良記録」「設備管理」等ができる、ものづくり企業向け複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」(https://genbato.jp/)のサービスを開始した。5年目となる2028年度には、目標契約数7,000件、目標サービス利用額10億円を目指すとしている。

日本の製造業の労働生産性は、OECDに加盟する主要34か国中18位と、2000年代から順位の低落が続いている(※1)。特にものづくり企業である中小製造業を取り巻く環境は大きく変わり課題も様々だが、中小製造業の主な課題としては「人手不足」、「技術(事業)承継」、「技術開発の停滞」、「営業力不足」等が挙げられる。それらの課題を解決するためには、中小製造業の現場においてもIT(デジタル)を活用した労働生産性の向上が避けられないが、中小製造業の多くは「デジタル人材がいない」「ノウハウがない」「コストがかけられない」といった理由から、IT(デジタル)化が進まないという企業が多いのが現状と指摘している。

そこで同社は、「製造現場にちょうどいいデジタルを」をテーマにした、複合型SaaS プラットフォーム「ゲンバト」のサービスを開始。ゲンバトが目指す「ちょうどいいデジタル」とは、「使いたいものだけ」「すぐに始められる」「安価で手軽な」サービスとしている。「ゲンバト」を通じて、中小製造業のIT(デジタル)化・DX化を手助けすることで生産性向上に貢献し、事業機会の創出支援、技術(事業)承継のサポート等も行っていくとしている。

※1:(公財)日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2023」より

●「ゲンバト」の特長
「ゲンバト」は、ものづくり企業向けの複合型SaaSプラットフォーム。現時点で10のサービスを提供しており、ここにアクセスすれば、製造現場・経営にまつわる様々な課題を解決できるとしている。中でもオリジナルサービスの大きな特長は、「サービス同士の連携」、「各サービスが月々1万円~2万円で始められるサブスクリプション(定期課金)サービス」の2つ。

○現時点で10のサービスを提供する複合型プラットフォーム】
・「図面管理」「不良記録」「設備管理」のオリジナルサービスを使用すれば、図面や設備の管理・記録が、煩雑な紙での管理から解放され、セキュリティを担保したクラウド環境で一括管理可能。
・オリジナルのマッチングサービス「エンムスビ」は、完成品メーカーと中小製造業の新たな出会いの場を提供するサービス。営業活動や自社の技術力のPRに人的リソースをかけられない中小製造業をサポートする。
・他にもパートナー企業のサービスとして「人材確保」「M&A」「写真・動画活用」に関するサービスが利用可能。(それぞれ2つ、合計6つのサービス)

●オリジナルサービスの特長
○サービス同士の連携
・「図面管理」と「不良記録」を一緒に使えば、不良記録とその図面で作成された製品を連携して管理可能。
・過去の不良や改善した内容も一元管理できるので、ノウハウの蓄積によって品質向上や効率化に役立つ。

○各サービスが月額1万円~2万円で始められるサブスクリプション(定期課金)サービス
・各サービスが月額1万円~2万円で使用できるリーズナブルな料金設定。
・使用したいサービスだけを選ぶサブスクリプション(定期課金)サービスなので、従来のシステムのような大きな初期投資は必要なく、手軽に始めることができる。

●「ゲンバト」の今後の展開について
2024年12月末までオリジナルサービス(「図面管理」「不良記録」「設備管理」「エンムスビ」)を無料(※2)とし、まずは「ゲンバト」の手軽さを会員ユーザーに伝えていく。さらに、導入支援(設備・点検規則の登録支援等)も行いながら、顧客満足度の向上も図っていくほか、マッチングサービス「エンムスビ」を活性化させるため、同社の仕入先メーカーの協力を得ながら、公募案件を増やしていく。そして、新サービスの開発にも着手しており、パートナー企業も広げていくとしている。

※2:一部の機能・オプションは有料