㈱アイオイ・システムは2月13日、オフエアポート・チェックイン(OAC: Off Airport Check-in)推進プロジェクト[全日本空輸㈱(ANA)、日本航空㈱(JAL)、中部国際空港㈱、北海道エアポート㈱、名古屋鉄道、㈱Airporter、㈱エージーピー、NPO法人次世代空港技術研究会等]におけるOAC実証実験と合わせて、電子ペーパー搭載の“見えるRFID”スマートカードによる電子バゲージタグ(EBT: Electronic Baggage Tag)の運用試験を実施したと発表した。

航空会社によるウェブチェックインの普及により、スマートフォンQR搭乗券は一般的になったが、チェックインバゲージがある場合は空港内のカウンタに並ぶ必要がある。EBTを使用することで、将来的には旅客がウェブチェックイン時に自身のスマートフォンやPCからバゲージタグを生成し、EBTを作成することが可能になる。旅客はEBTを取り付けた手荷物を空港内のドロップエリアに投入することで、出発空港のチェックインカウンタに立ち寄ることなく、到着空港で手荷物を受け取ることが可能になる。

今回のEBT運用試験では、限定旅客の手荷物に電子バゲージタグを取付け、OAC実証期間中に1日2往復させ、実用面及び耐久性の確認作業を行う予定。

今回のEBT運用試験にあたっては、OAC推進プロジェクト各社の賛同、技術協力として㈱デンソーウェーブ、埼玉大学 大学院理工学研究科 間邊研究室の協力を受けた。

●EBTの概要
E Ink製電子ペーパー搭載
電池不要で100万回以上書換可能
非接触近接通信(NFC:Near Field Communication)とUHF通信機能搭載
電子ペーパー上に空港コード、便名、日時、氏名、タグ番号とバーコード
旅客情報と紐づけされたスマートカード内部メモリのタグ固有のRFIDコード

EBT電子バゲージタグ

オフエアポート・チェックイン(OAC Off Airport Check-in)とは、空港以外の場所で手荷物を預け、空港での手続きを簡略化するサービス。2024年2月4日から2月11日までの8日間、中部国際空港と新千歳空港において、オフエアポート・チェックインの実証実験が行われた。同実証実験は、観光客が持ち込む手荷物での混雑、手荷物保持による行動範囲の限定に起因する広域地域での観光消費の未拡大、地域での公共交通機関の利用者減少による路線維持・運賃抑制の難化という課題に対し、観光客(旅客)と手荷物の分離による空港までの地域公共交通機関の混雑緩和と、手ぶら観光の実現による広域観光周遊の利便性向上と観光消費の拡大を目的としている。

JR札幌駅構内のオフエアポートチェックインカウンター

名鉄百貨店のオフエアポートチェックインカウンター