㈱アイオイ・システムは2月5日、オフエアポート・チェックイン(OAC:Off Airport Check-in)推進プロジェクト(全日本空輸㈱(ANA)、日本航空㈱(JAL)、中部国際空港㈱、北海道エアポート㈱、名古屋鉄道、㈱Airporter、㈱エージーピー、NPO法人次世代空港技術研究会等)におけるOAC実証実験と合わせて、電子ペーパー搭載の“見えるRFID”スマートカードによる電子バゲージタグ(EBT:Electronic Baggage Tag)の運用試験を行うと発表した。

航空会社によるウェブチェックインの普及により、スマートフォンQR搭乗券は一般的になったが、チェックインバゲージがある場合は空港内のカウンタに並ぶ必要がある。EBTを使用することで、将来的には旅客がウェブチェックイン時に自身のスマートフォンやPCからバゲージタグを生成し、EBTを作成することが可能になる。旅客は、EBTを取り付けた手荷物を空港内のドロップエリアに投入することで、出発空港のチェックインカウンタに立ち寄ることなく、到着空港で手荷物を受け取ることが可能になるとしている。

今回のEBT運用試験では、限定旅客の手荷物に電子バゲージタグを取り付け、OAC実証期間中に1日2往復させ、実用面及び耐久性の確認作業を行う予定。

今回のEBT運用試験にあたっては、OAC推進プロジェクト各社の賛同、技術協力として㈱デンソーウェーブ、埼玉大学 大学院理工学研究科の間邊研究室が協力した。

●EBTの概要
・E Ink製電子ペーパー搭載
・電池不要で100万回以上書換可能
・非接触近接通信(NFC Near Field Communication)とUHF通信機能搭載
・電子ペーパー上に空港コード、便名、日時、氏名、タグ番号とバーコード
・旅客情報と紐づけされたスマートカード内部メモリのタグ固有のRFIDコード

EBT 電子バゲージタグ


OACとは、空港以外の場所で手荷物を預け、空港での手続きを簡略化するサービス。2024年2月4日~2月11日の8日間、中部国際空港と新千歳空港においてOACの実証実験が行われる。同実証実験は、観光客が持ち込む手荷物での混雑、手荷物保持による行動範囲の限定に起因する広域地域での観光消費の未拡大、地域での公共交通機関の利用者減少による路線維持・運賃抑制の難化という課題に対して、観光客(旅客)と手荷物の分離による空港までの地域公共交通機関の混雑緩和と、手ぶら観光の実現による広域観光周遊の利便性向上と観光消費の拡大を目的としている。

ANA・JALの中部国際空港と新千歳空港間の航空便を利用される搭乗旅客の手荷物を、都心部主要駅(名古屋鉄道・名鉄名古屋駅およびJR北海道・札幌駅)で預かることで、空港での手続きを簡略化する。また、搭乗旅客においては、手ぶら観光を実現して名古屋地区および札幌地区から空港までの移動利便性を向上させる。航空会社のスマートフォン・アプリと連携したOACアプリにより、手荷物と旅客の位置情報に基づき、交通・観光案内および手荷物状況をOAC利用者のスマートフォンへの情報配信を行い、安心・安全な観光旅行をサポートする。

名古屋鉄道チェックインカウンタのボード