㈱メディパルホールディングスと㈱アイオイ・システムは9月1日、メディパルグループ連結子会社の㈱メディセオが、同日竣工の「阪神ALC」(兵庫県西宮市)に、アイオイ・システムと共同開発したSmart Tagによる電子SCMラベル(※1)を導入したと発表した。

●電子SCMラベル導入の背景と目的
メディパルグループは、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever ~たゆまぬ変革を~」において、「持続可能な流通の構築」を掲げ、流通体制を構築している。

メディセオは必要な商品を安全・安心・確実に届ける社会インフラとしての重要な役割を担っていると共に、企業の社会的責任として環境問題の重要性を認識し、環境に配慮した企業活動を通じて持続可能な社会の実現に向けた様々な取り組みを行っている。

今回、SCMラベルをコンベヤ搬送中に書き換え処理することが可能な電子SCMラベルを、アイオイ・システムと共同開発し、医薬品卸物流センターとして初めて導入した。
その目的は以下の通り。

(1)紙製ラベルの廃止による紙資源及び廃棄物の削減(SDGsの推進)
(2)バラピッキング作業における納品箱へのラベル貼付・剥がし作業の削減(省力化)
(3)紙ラベル使用による納品箱の汚れの改善

●電子SCMラベルの特長
(1)表示画面の高速書き換えが可能なため、コンベヤ搬送中に自動消し込み、自動書き換えが可能

(2)電池レスで100万回以上の書き換えが可能

(3)電子ペーパーを採用し、NFC(※2)搭載のスマートフォン等による汎用モバイル端末での書き換えが可能

(4)NFC+UHF(※3)機能を搭載し、近距離で書き換え、遠距離でID取得が可能

(5)IP55(※4)準拠で防塵防水にも対応

●今後の展開
「阪神ALC」への導入を皮切りに、さらなるSDGs推進に向けて他のALCへも順次展開を進めることにより、業務の自動化、省人化とともに環境にやさしい流通体制を構築していくとしている。

※1:SCMラベル(Shipping Container Marking label):出荷梱包表示ラベル

※2:NFC(Near Field Communication):アンテナとSmart Tagを近距離無線通信で行う技術。非接触で給電、通信が可能

※3:UHF(Ultra High Frequency):電波(920MHz帯)を用いてSmart TagのIDを数mの距離で取得できる

※4:IP55:国際電気標準会議(IEC)によって等級ごとに分類された防塵防水規格。等級55は粉塵からの保護、あらゆる方向からのノズルによる噴流水によっても影響を受けない構造。