㈱メディパルホールディングスは9月1日、同社連結子会社の㈱メディセオが同日、新物流・営業拠点として「阪神ALC※」を竣工した。

㈱メディセオ「阪神ALC」外観

※ALC(Area Logistics Center):医療用医薬品や医療材料等を取り扱う高機能物流センター。主に調剤薬局、病院、診療所等に商品を供給。

2009年、メーカーと医療機関等をシームレスにつなぐと共に災害対策を施した有事に強い物流センターとして、神奈川ALC(横浜市戸塚区)の開設以降、全国への展開を進め、今回13か所目の「阪神ALC」の設置により、全国をカバーする流通ネットワークが完成するとしている。

●「阪神ALC」概要
名称:㈱メディセオ「阪神ALC」
所在地:兵庫県西宮市津門大塚町11-15
敷地面積:2万6,446.3㎡(8,000坪)
建築面積:1万4,766.39㎡(4,466坪)
延床面積:4万3,068.19㎡(1万3,028坪)
構造:鉄骨造(杭頭免震)、地上4階建

●「阪神ALC」の特長
(1)医薬品・医療材料・医療機器・臨床検査試薬等、幅広く豊富な商品を在庫
得意先に近い立地に、3万SKU※以上の商品を取り揃え、得意先へ直接届けることにより、受注から納品までのリードタイムを短縮する。

※SKU(Stock Keeping Unit):最小管理単位

(2)高い受注納品率を実現する需要予測システム
独自に確立している需要予測システムにより在庫を適正管理。過剰在庫や品切れが生じないよう、1品目ごとの適正なコントロールにより、定時・適量の納品を実現する。

(3)物流精度向上と高生産性を実現する技術
従来の仕組みを見直し、独自のマテハン技術による第3世代のピッキングシステムを構築。正確性と効率性を追求した高生産性物流システム「AUPUSⅡ(Automatic Piece Picking Ultimate SystemⅡ)」の投入により、世界最高水準の高機能物流を実現する。

(4)あらゆるケースを想定したBCP対策(事業継続計画)
阪神・淡路大震災、東日本大震災など多くの被災経験を生かし、災害時にも得意先への影響を最小限に抑えるように、様々な対策を積み重ねている。阪神ALCには建物免震構造を施すほか、停電時の自家発電設備、緊急配送用バイク、自家給油設備等を配備し、地震等の自然災害時にも、事業を継続できる体制を整える。

(5)環境に配慮したサステナブル・ロジスティクス・センター
太陽光発電による自然エネルギーの活用、LED化の推進、再生素材(間伐材や再生木材)の使用など環境に配慮した設計となっている。また、雨水を利用した水資源の有効活用や、紙ラベルの廃止による廃棄物の削減、電気自動車の導入等を行う。

(6)GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能
2018年12月に厚生労働省が発出した、医薬品の適正流通ガイドラインであるGDPガイドラインに準拠し、温度管理、偽薬対策、衛生管理等の対応を行う。また、SOP(標準作業手順書)も整備している。

●設備投資額
総額約267億円(土地、建物、設備、機器等)

●カバーエリア
京都府:京都府全域
大阪府:豊中市・池田市・高槻市・茨木市・箕面市
兵庫県:神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市・伊丹市・豊岡市・西脇市・宝塚市・川西市

●出荷額(稼働当初)
年間約2,400億円(予定)

●稼働開始時期
2023年10月(予定)