㈱YE DIGITAL(YEデジタル)は8月29日、倉庫自動化システム(WES)「MMLogiStation」シリーズのサービスとして、物流倉庫向け意思決定支援ダッシュボード「Analyst-DWC」をアビームコンサルティング㈱と共同開発すると発表した。「Analyst-DWC」は2024年春にリリースする予定。

※DWC:Digital Warehouse Controller

「Analyst-DWC」は、YEデジタルの倉庫自動化システム(WES)「MMLogiStation」シリーズのサービスの1つ。倉庫業務の最適化・データ化から物流DXをすすめる同社は、物流業務データの蓄積・活用によるさらなる生産性向上を目指し、検討をすすめてきたもの。その中で2022年6月から戦略的業務提携しているアビームコンサルティングとディスカッションを重ね、今回「Analyst-DWC」の共同開発に至ったとしている。

YEデジタルは創立間もない頃から約40年にわたり、物流システムの開発に携わり、業務効率化に寄与して来た。今回、同様に物流市場におけるコンサルティングにより様々な業務改善を構想し、実行フェーズまで支援されてきたアビームコンサルティングの知見を組み込んだサービスが実現したとしている。

●意思決定支援ダッシュボード「Analyst-DWC」
「Analyst-DWC」は、YEデジタルが提供するWES「MMLogiStation」や他社WMS等、物流倉庫で使用されている様々なシステムと幅広く連携し、倉庫内のすべてのオペレーションの稼働データを収集し、データ基盤に蓄積。加えて、アビームコンサルティングの知見や業務ノウハウからオペレーションに関する様々な意思決定場面を定義・標準化して搭載している。それらに基づき、ダッシュボードから以下のような情報を提供することにより、現場におけるスピーディーな判断を可能とし、生産性向上を図ることができるとしている。

<提供機能>
①作業員や設備リソースの稼働状況のリアルタイム収集
②倉庫内作業状況のリアルタイム表示
③複数システムの膨大なデータ収集と、容易なアクセス
④作業員配置シミュレーションによる作業時間予測

●「Analyst-DWC」の活用例:作業順や作業開始タイミングの検討
人手不足が叫ばれる物流業界だが、物流センターでは日々、様々な行先に向けた多くのトラックに荷物を間違えなく、遅れなく搭載する作業に追われている。その際、従来は「どのトラックの作業から着手すべきか」「いつからどの作業に着手すべきか」は管理者の経験則に基づいて導き出されていたが、「Analyst-DWC」を使用することにより、次のように変わるとしている。

①すべての出荷作業の予定と実績、遅延状態等を把握する
②現状のまま進めた場合の時間単位の作業量を見通す
③優先順位や人員配置の見直しをシミュレーションする

これにより、最適な作業順や作業開始タイミングを検討することが可能になるほか、人時生産性の向上や総作業時間の削減につなげることができるとしている。「Analyst-DWC」はそれ以外にも、作業員の配置計画見直しや作業員の生産性評価・教育計画、作業遅延・滞留の検出と対策、在庫の適正配置と移動計画、作業不備工程の検出と対策等、幅広い倉庫業務の改善に利用できるとしている。

●「Analyst-DWC」で期待される効果
「Analyst-DWC」の導入により、物流倉庫運営において、以下のようなメリットが期待できるとしている。

①倉庫運営の管理者業務についての属人化が解消。また、管理者の管理工数の削減
②複数拠点導入による、各拠点の生産性を統一の指標の管理
③管理精度の向上による、業務時間の削減

2024年春に向け、現場ヒアリングを行いながら、アビームコンサルティングと共に、顧客が現場で役立つよう、しっかりと効果が出せるサービスの開発を進めていくとしている。