OpenText(オープンテキスト)は1月、同社が調査を委託した米国調査会社IDCの最新ホワイトペーパーを発表した。

ホワイトペーパーによると、企業間取引におけるモダンテクノロジーの導入は、サプライチェーン(SC)の効率性を生み出す極めて重要な要因となっており、調査によると企業間取引のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展している企業は、そうでない企業に比べて売上高、利益、顧客満足度が優れていることが示唆されるとした。

●主な調査結果
複雑なSCの現状、グローバルな事業展開、多様なパートナーやサプライヤーを考慮すると、今日のSCで「旧来の」手法が機能しないことは明白としている。今回の調査によると、回答者の78%は、B2B統合(※1)によって、企業のSCのパフォーマンス全体が向上したと報告しており、SCにおけるDXの重要性を示しているとした。

今日の破壊的なビジネス環境では、SCの強靭化は極めて重要なものの、企業間におけるビジネスケースを十分に説明し、投資対効果を正当化し、そのために必要な社内機能を構築することは一般的に困難とされている。実際、企業の71%は自社のSC内で投資を拡大している一方、デジタルSCの強靭化について最高レベルの成熟度に到達していると回答した人は、わずか6%に留まった。そのため、モダンなプロセスとデジタル技術を活用することで、大きな発展と価値を実現できる余地が未だに存在するとした。

高度なSC統合機能は、既存のアプローチをより効果的・効率的にサポートするだけでなく、業績に直結する新たなモデルにも対応できるとした。回答者の80%は多種多様なコラボレーション文書の自動化によって、自社のSCにおける、情報の取り扱いと共有にかかるコスト、人材の効率性、重要業績評価指標(KPI)の改善の項目でそのレベルが向上したことを報告している。B2B統合機能と処理は、運用・物流コストの削減、市場投入期間の短縮、データの品質と精度の向上、可視性の進化等、ビジネスの最優先事項と合致している。

オープンテキストはシームレスなB2B統合と将来を見据えたSCの高度化の必要性を認識しており、OpenText Business Network Cloudを通じて包括的なソリューションポートフォリオを提供しているとした。OpenText Business Networkは、ビジネスプロセスを自動化し、人・システム・モノの間で効率的かつセキュリティやコンプライアンスに準拠したコラボレーションを促進し、高度なデジタルバックボーンを確立するための真の基盤として、ビジネスの成長と変革のイニシアチブをサポートするほか、セキュリティ、拡張性、信頼性に優れたクラウドプラットフォームであるOpenText Trading GridとOpenTextのクラウドアプリケーションの強力なスイートを連携させることにより、社内外の関係者は単一の一元化されたネットワーク上でシームレスなコラボレーションを行いながら、発注書、出荷通知、支払指示等の処理が可能になるとした。

今回の調査では、人口知能(AI)と高度な分析機能がB2B統合の成熟度に重大な役割を担っている点も浮き彫りになったとしている。企業の44%は現在、AIや機械学習(ML)の使用を通じ、自社のSC業務を対象により予測可能なインサイトを導き出している。一方、回答者の17%は基本的な分析機能の使用に留まっている。B2Bの情報共有に特化した場合やより広範なSCを対象とする場合でも、利用可能なすべてのデータを活用する機能は急速に必須要件となっており、これに遅れを取ることは、企業の競争力を低下させることにつながるとしている。

●調査方法
今回の調査は、OpenTextの委託により、IDCが2022年第3四半期に実施したもの。北米、西欧、アジア太平洋の10か国の製造、ライフサイエンス、小売の業界の回答者811人が調査対象となった。

※1:B2B統合とは、組織間での取引やビジネスプロセスをデジタル的に統合、自動化、最適化することを指す。