㈱野村総合研究所(NRI)は1月31日、NRIデジタル㈱と共同で、AIの先端アルゴリズムとクラウドテクノロジーを組み合わせたソフトウェア部品群「DiPcore(ディップコア)」シリーズから、新たに企業の手書き等の伝票処理業務を効率化する「DiPcore AI-OCR」サービスの一般向け提供を開始した。

●「DiPcore AI-OCR」サービスの概要と特長
(1)AIによる文字記載位置の自動検出
従来の技術では文字記載位置の設定に時間がかかり、また読み取り時の紙の傾き等のズレに対応ができない問題があったが、同サービスは文字記載位置の特定にAIのアルゴリズムを使用することで、位置設定にかかる負担を大幅に軽減し、位置ズレや傾き、2行書き等の補正処理を自動化している。

(2)極めて精度の高い手書き文字認識
従来の技術では、多くの手書き文字を学習させることで精度を上げる仕組みのため、学習データ量が精度の限界となっていたが、同サービスは学習データそのものをAIに自動生成させることで、読み取り精度を飛躍的に向上させた結果、導入事例では非常に高い項目読み取り精度を達成している。

(3)基幹システムとの柔軟な連携
読み取り結果をリアルタイムに連携できるだけでなく、基幹システムのマスタデータと連携を取りながら読取りの精度を高めることが可能で、高い精度を求められる業務に対応できるシステム構成としている。

●活用している顧客のコメント
○ヤマト運輸㈱担当者の声(一般向け提供に先行して導入済み)
手書き等の複写式伝票(送り状)情報のデジタル化は、数年前から進めてきたプロジェクトで、DiPcore AI-OCRを導入することにより、ヤマト運輸が取り扱う荷物の送り状の9割をデジタル化することができたほか、撮影された送り状を自動で読み込み、データとしてシステムに取り込めるため、アナログ作業だった集荷時のデータ入力が削減され、セールスドライバーの業務効率化に繋げることができた。

●体験用デモアプリ「DiPcore Ai-OCR」
同サービスの読み取り精度・伝票自動判別処理は、無料デモアプリ「DiPcore Ai-OCR」で体験可能。同アプリは8種類の送り状に対応し、スマートフォンのカメラで送り状を撮影することで送り状種類の判別および手書き文字の認識結果を瞬時に求めることが可能。

●「DiPcore」シリーズについて
NRIグループが開発・提供する、DX時代の基幹システムを支えるソフトウェア部品群。AIの先端アルゴリズムとクラウドテクノロジーを組み合わせ、企業のDXを実現するためのキーテクノロジーをコンポーネント化している。DiPcoreを活用することにより、AIパッケージソリューションでは対応が難しいビジネス要求への柔軟な対応と、スピーディなDX構築要件を両立させることができる。
https://industrial.nri.co.jp/dipcore/