GROUND㈱は12月27日より、現状モデルと比較して可搬重量を2倍以上の約100kgに高め、重量商材のピッキング支援を行える自律型協働ロボット「PEER(ピア)100」を提供開始した。

これまでニーズがあっても対応できていなかった領域へのサービス提供を目指すとしている。

また、今回の「PEER100」提供に伴い、GROUNDが独自開発したソフトウェア機能を拡充し、事業者のニーズに柔軟に合わせたオプションサービスとして提供開始する。

可搬重量を現行モデルの2倍以上に高め、重量商材対応した自律型協働ロボット『PEER 100』
可搬重量を現行モデルの2倍以上に高め、重量商材対応した自律型協働ロボット『PEER 100』
可搬重量を現行モデルの2倍以上に高め、重量商材対応した自律型協働ロボット『PEER 100』

●自律型協働ロボット「PEER100」提供開始の特長
(1)自動搬送モード切り替え
自律型協働ロボット「PEER」シリーズは物流施設内におけるピッキング作業を支援するロボットとして企画・開発されている。今回、「PEER100」の提供開始に伴い、「ピッキング作業支援と自動搬送モード切り替え」機能を拡充し、日々変わる物流施設内の環境や作業量等に合わせて「PEER」を「ピッキング作業支援」と「工程間自動搬送機」という2種類の役割に切り替え、稼働率をさらに高めることが可能となる。

(2)「PEERシミュレーター」
「PEERシミュレーター」は、事業者の要望や環境に合わせ、「PEER」シリーズの最適な台数と必要な作業者数等を算出する機能。事業者の物流施設情報をはじめ、その環境下における作業時間やピッキング情報を取り入れ、「PEER」の台数や作業者数を組み合わせることにより、様々な作業時間や生産性等をシミュレートする。

同機能は、「PEER」導入事業者はもちろん、「PEER」の導入を検討している事業者が利用することにより、投資利益率(Return On Investment)の試算に活用することも可能。

「PEERシミュレーター」

(3)物流施設統合管理・最適化システム「GWES」との連携
倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)や倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System)を介すことなく、自律型協働ロボット「PEER」のロボット制御システム(RCS:Robot Control System)と物流施設統合管理・最適化システム「GWES」を連携する機能を拡充する。

これにより、「PEER」の作業量や業務進捗を容易に可視化・分析・管理することが可能となり、今後ニーズが高まることが予想される物流施設の全体最適化やDX化を支援する。

「GWES」と「PEER」シリーズの連携イメージ

●自律型協働ロボット「PEER100」概要
名称:「PEER100」
提供開始日:2022年12月27日(火)
寸法・重量:外形寸法700×450×1,260(mm)、本体重量50kg、最大荷重約100kg
走行性能:最高速度毎秒1.2m、通路幅1.35m(ロボット同士の双方向すれ違い時)/1.0m(人とのすれ違い)、最大勾配3度、最大段差3mm
電源:内臓バッテリ/リチウムイオン電池、連続走行時間8時間(無積載時)、充電時間2時間、電源容量/入力電圧100~200V、最大電力382W(充電器仕様として)
通信:WiFiによる無線LAN通信(802.11a/g/n)

●「PEER」の特長と導入メリット
①作業者のピッキング効率の向上、人為的ミスの低減、トレーニング時間の削減が可能。
②ゾーンピッキング(下図)の推奨により、ソーシャルディスタンスの確保に寄与し、作業者に安全な環境下での業務推進を提供する。
③先端のSLAM技術(※1)がカメラおよびLiDAR(※2)からの情報を融合させることにより、リアルタイムにロボット自身が位置情報を取得し、人と協働しながら作業支援を行うことが可能。さらに、経路情報を設定することなく自律走行できるため、経路上の障害物を回避した最適な経路を選定する。
④物流施設内の作業オペレーションやレイアウトの大幅な変更をすることなく、スピーディーな導入が可能。
⑤ニーズや波動に合わせて、フレキシブルにPEERの台数を増減できる。

PEERによるゾーンピッキング

※1:Simultaneous Localization and Mappingの略。センサによって周囲環境を把握し、マップをつくりつつ、取得したデータをもとにロボットの自身の位置も推定する技術。
※2:光センサ技術。