西部電機㈱は12月23日、㈱鷹取製作所と共同開発した護衛艦向けオートノマスバルブ(西部電機製「Semfle×A-50S」採用)が、防衛基盤整備協会から運用に関する効率化、省力化を実現した装備品として評価され、「防衛基盤整備協会賞」を受賞したと発表した。

「防衛基盤整備協会賞」表彰状

これまで艦艇の機器冷却水系統(メインライン)および応急給水系統(予備ライン)は手動弁が使用されていた。予備ラインへの切り替えはダメージコントロール上、緊急時の即応性が要求され、電動バルブに自律的制御を付加した製品開発を求められた。開発においては鷹取製作所がバルブを担当し、西部電機が自律的制御技術を開発した。

●製品の特徴
オートノマスバルブは圧力センサ等の外部信号を取込み、機器間通信により、各バルブの自律的制御を実施。

①上位機器から自動運転の指示を受け、系統の常時監視
②緊急時、メインラインから予備ラインへの系統の自動切換
③予備ラインの流量の自動制御

●動作説明

①メインラインの不調を圧力センサから自動察知し、機器間通信で給水を予備ラインへ自動で切り替える。
②予備ラインのバルブ開度を自動調整し、予備ラインの流量をメインラインと同等となるよう給水制御する。

今回の表彰対象となったA-50Sは、手動バルブを使用してきた艦艇の機器冷却水系統(メインライン)と応急給水系統(予備ライン)の重要なバルブへ採用され、各バルブの機器間通信による自律的制御や設備の効率化、省力化を実現しており、最新鋭の護衛艦「もがみ」型で運用されている。