中国無人フォークリフト(AGF)メーカーのVisionNav Roboticsは9月15日、MES、WMS、ERP等のシステムやAGFとシームレスに連携し、ビジュアル・ナビゲーションモジュールで複数機体の管理、クロスシナリオ(cross-scenario)のスケジューリングを実現する独自開発のロボット管理システム「AGF RCS(Robot Control System)」の最新バージョン「RCS2.0」を発表した。

同社は、RCS2.0について初代RCS1.0の簡潔さと導入しやすさを継続しつつ、より多くの機能も追加している、としている。性能面では拡張性が向上し、AGF、潜り込み式AGV、4方向シャトル等、様々なシーンで複数機種の制御を実現。効率面では、インテリジェントアルゴリズムのアップグレードにより、AGFの総合効率が2倍になり、ランニングコストをさらに最適化する。同時に、インターフェースには新しいデザインを取り入れ、ユーザーにより良い使用感を提供する。

VisonNav RCS(Robot Control System)2.0

●VisonNav RCS 2.0の特長
(1)インテリジェントアルゴリズムのアップグレードにより総合効率を向上
AGFは製造物流や倉庫物流の自動化が加速・深化すると共に、より複雑な運用シーンに対応し、規模が大きくなるほど、AGFの複数連携やスケジューリング計画が難しくなっている。

VisionNav RCS 2.0は新しいインテリジェントアルゴリズムのアップグレードに基づき、AGFの群制御において全経路の動的計算と単一車両経路のリアルタイム計画を採用。経路変更をより柔軟に、旋回または決定待ちをより賢く行い、ロック、渋滞、およびAGFの無駄な待ち時間を効果的に防止することができる。

いくつかの顧客のプロジェクトに実運用されており、一部の複数車両混合走行の導入先からのフィードバックによると、同規模と比べて複数車両混合走行のプロセスは業務ピーク時の総合的な効率を10%向上させる、としている。

(2)ランニングコストを最適化する例外処理メカニズム

VisionNav RCS 2.0では、車両の例外処理が改良され、タスク転送や異常車両回避等の新機能を追加しており、AGFの異常によるタスク遅延やレーンブロック等のロスを効果的に削減。顧客のオペレーションコストを最適化する。

・タスク転送:タスク実行中にAGFが故障し、正常に動作しなくなった場合、RCS 2.0は故障AGFが行っているタスクを、現在のタスクの実行状況に応じて指定された空きAGFに転送する。

・異常車両回避:AGFの走行中に異常が発生し、発生現場から移動されるまで、他のAGFの正常走行ルートと干渉する場合、RCSより異常AGFにあるルートを回避し、他のタスク処理が正常に進行できるようにルートを再計画する。回避できる経路がない場合は、回避できない車両を一旦停止させ、さらに別の機体作業指示を移行することで回避処理する。

(3)使用感を向上させる機能拡張と追加
RCS 1.0では車両管理、ロケーション管理、オーダー管理、タスク管理等の機能をサポートしたが、RCS 2.0はそれらをベースに、ロケーション統計、故障情報検索等のサブ機能を追加し、バージョンアップした。また、操作インタフェースの新しいデザインスタイルを採用することにより、より簡潔かつ直感的になり、一目で理解でき、ユーザーとの対話と使用感を向上させた。

・地図表示の最適化:走行ルートが複雑のため、デフォルトではAGFの現在ロックされている経路のみ表示する。状況に応じて1台のAGFの経路全体を表示したり非表示にすることで、より直感的な表示効果を得ることが可能。

・車両ダッシュボード:AGFの位置、正常/異常状態、充電状態、オンライン/オフライン状態等をリアルタイムに表示し、より直感的にAGFの状態を知ることができる。

(4)多言語対応、ローカライズメンテナンス
RCS 2.0の言語を、中国語と英語から、中国語、英語、日本語、韓国語の多言語運用に拡張され、プロジェクトの国・地域に合わせて1クリックで言語システムを切り替えられるほか、現地に合わせたシステムメンテナンスをサポートし、より便利にプロジェクトのリモート配信を行うことができるようになる。

VisonNav RCS Specifics

●VisionNav Robotics
工業用無人車両と物流無人化ソリューションを提供する中国メーカーで、5G通信、人工知能(AI)、環境認識、ディープラーニング、サーボ制御等のコア技術を工業用無人車両に応用し、複数のシナリオに適用できる9シリーズのAGF・無人トラクターを開発。同社のソリューションは、あらゆる物流の作業シーンをカバーし、9.4mのハイアクセス、2.0mの狭い通路へのアクセス、トラックの無人積み下ろし、多層段積み等のシーンに対するコアニーズに応えることができる。同社は現在までに30か以上の国と地域でグローバル事業を展開。350以上のプロジェクトを受注、1,500台以上の製品を販売し、50社以上のFortune 500企業との協力関係を構築、自動車製造、タイヤ、食品、石油化学、Eコマース、3PL、製薬など多くの業界をカバーしている。