㈱吉野家とヤマト運輸㈱は9月12日、吉野家の直販・卸向け外販事業における流通スキーム再構築に向けた合意書を締結した。
「冷凍牛丼の具」をはじめとする吉野家の個食用冷凍食品の保管から発送までを、ヤマト運輸の3温度帯（常温・冷蔵・冷凍）物流ネットワーク上に一元化することでオペレーションを効率化し、出荷キャパシティを拡大すると共に、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量を削減する。
吉野家公式通販ショップを含む直販サイト全5店舗では、8月17日から本スキームで運用を開始しており、卸向けについては2023年2月から運用開始する予定。
吉野家は1899年、東京日本橋の魚河岸で創業し、創業以来123年、「うまい、やすい、はやい」牛丼を提供することにこだわり続け、時代や社会構造の変化とともに変わりゆく顧客の暮らしに応じて提供方法を拡大し続けている。家庭でも手軽に吉野家の味を楽しめるように、1993年より「冷凍牛丼の具」を発売。卸向けに外販事業を開始したほか、2013年より初の直販サイトとなる吉野家公式通販ショップを開設。主力商品「冷凍牛丼の具」や特定健康保健用食品「トク牛」など全79品を販売している。
新型コロナウイルスの感染拡大やライフスタイルの変化によって、中食需要はさらに高まっており、2021年度における吉野家の外販事業売上は2018年度比の2倍になった。これまで吉野家は直販・卸部門ごとに委託業者を選定し、物流管理を行ってきたが、70種類以上にのぼる複数温度帯の商品管理やセット組（※）等、増加するニーズに迅速に対応するため、流通スキームの効率化が大きな課題だった。
今回、吉野家とヤマト運輸は、高まる中食需要に対応し、個食用冷凍食品の出荷キャパシティをさらに拡大するため、外販事業における流通スキームを見直し、持続可能なサプライチェーンを構築するとしている。
※セット組…複数の商品を組み合わせて一つの商品として扱えるようにする倉庫内での作業のこと。
●構築した外販流通スキーム
＜特長＞
①出荷キャパシティの拡大
ターミナル一体型3温度帯物流施設に商品の保管から発送まで一元化することで、多様なセット組や賞味期限コントロール等、複雑な出荷作業にかける時間を確保し、さらには作業オペレーションを効率化させることで、出荷キャパシティを拡大する。
②サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量の削減
従来の倉庫と物流ターミナル間の輸送で発生していた温室効果ガス排出量を削減するほか、従来行っていたオーダー前の事前ピッキングやセット組が不要となり、余剰分の食品・資材のロスを削減する。
●吉野家公式通販ショップ
https://e-shop.yoshinoya.com/
