㈱IHIは9月12日、野村不動産㈱との協業で、自動倉庫のシェアリングサービスをはじめとした取り組みを行う大規模物流施設「(仮称)Landport横浜杉田」(神奈川県横浜市金沢区)の開発に着手したと発表した。なお、自動倉庫のシェアリングサービスは両社の物流施設開発において初の取り組みとなる。

同施設では、総合物流機器メーカーである㈱IHI物流産業システムをはじめとしたIHIグループの技術力と、カテゴリーマルチ型物流施設の開発・施設運営の実績と街づくり全般への知見をもつ野村不動産のノウハウを融合することにより、昨今の物流業界の抱える課題に対し多様な選択肢を提供していくとしている。

IHIと野村不動産の物流施設開発における協業は今回が初となるが、今後も両社の強みを活かした物流施設開発の展開を検討していくとしている。

●(仮称)Landport横浜杉田の特徴
(1)高い配送利便性
首都高速湾岸線・杉田ICより約0.9kmと近く、大消費地である横浜や東京都内へのアクセスが良く配送利便性に優れた立地。1階に両面バースを設置し、宅配・配送事業者の入居を想定した設計としている。各フロアから1階に荷物の移動が可能な搬送機を設置し、施設内においても配送効率性を高めた施設計画としている。

(2)物流効率化、省人化への取り組み
賃貸物流施設で初となる(※)立体型自動倉庫を施設内にビルトインで設置し、季節波動や生産波動に合わせた利用を実現する保管サービスの提供を予定している。それにより入居企業は機動的な保管容量の確保とフレキシブルな保管期間を実現する。

●立体型自動倉庫のシェアリングについて
1フロア約1万坪の3・4階の一部に約12mの吹き抜けの空間をつくり、最大5,000パレットの保管が可能な「立体型自動倉庫」を設置。同設備は複数社の利用を想定し、保管容量の最大化や荷量の変動に対応できる設備として入居企業へシェアリングサービスとして提供を予定している。その他ECテナント特有の必要機能や各種自動化機器のシェアリングも検討中としている。

国際物流総合展2022に出展された模型と、導入予定の立体型自動倉庫CGパース(参考)
位置図

●物件概要
物件名:(仮称)Landport横浜杉田【カテゴリーマルチ型】
所在地:神奈川県横浜市金沢区昭和町3174
交通アクセス:
 首都高速湾岸線・杉田IC出入口約0.9㎞
 JR根岸線新杉田駅徒歩11分
 横浜シーサイドライン南部市場駅徒歩4分
敷地面積:7万1,034.94㎡(2万1,488.06坪)
延床面積:約16万3,000㎡(約4万9,000坪)
構造・規模:RCS造・地上4階建・免震
着工:2023年4月(予定)
竣工:2025年2月(予定)

※CBRE調べ:現状では国内においては、自動化が進む賃貸施設は一部のBTS型に限られており標準仕様として機械設備等が設置されたマルチテナント型施設は存在していない。