㈱ZMPは5月31日、現在販売中の自動運転/AI技術開発用ロボット「RoboCar 1/10X」において、新たに複数台の遠隔操作を可能にするマルチカーコントロールシステムの提供を開始した。
無人で走行する自動運転・AMR( Autonomous Mobile Robot)・ロボットでは、遠隔からの監視や操作を組み合わせた実装が求められるケースがあり、遠隔監視・操作を前提としたシステムでは、監視者1人で何台までの車両・ロボットを管理できるかが運用時の採算性に大きな影響を与えるため、上位のロボットコントロールシステムが重要になる。このような研究開発を実際の車両やロボットを用いて実験するには、場所やコストの制約が大きく、シミュレーション環境上での開発も行われているが、実環境での様々な事象の再現には限界がある。
本システムでは、複数のRoboCar 1/10Xを1台のPCより遠隔操作が可能になる。操作方法としてはゲームコントローラーを使用した遠隔操作から、サンプルアプリとして提供しているNavigationツールを使用した走行経路生成・経路追従走行も複数台同時に動作させることができる。SLAM機能で作成した2D MAPを複数台共通で使用し、同じシミュレーション環境(RViz)上で同時に動作させることが可能になる。これにより今までネックだった実車を用いた複数台コントロールの研究開発から実験も容易に実施できるようになる。また、RoboCar 1/10XではGazeboを用いたシミュレータ環境上での開発もできるサンプルアプリも準備しており、シミュレータ環境での開発から物理的な実験まで一気通貫して実施することが可能。RoboCar 1/10X1台と、マルチカーコントロールシステム(ソフトウェア)、その他開発環境とセットで180万円(税抜)、アカデミック価格144万円(税別)で同日より販売を開始した。
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なお、すでにRoboCar 1/10Xを利用している顧客には、マルチカーコントロールシステムを含んだソフトウェア開発環境の最新版を無償で提供するとしている。