大和ハウス工業㈱と日本貨物鉄道㈱（JR貨物）は5月31日、2020年7月より共同で北海道札幌市にあるJR貨物「札幌貨物ターミナル駅」構内に建設してきたマルチテナント型物流施設「DPL札幌レールゲート」が同日竣工したと発表した。同施設は地上3階建て、敷地面積5万348㎡、延床面積8万6,276㎡（※1）を誇る北海道最大（大和ハウス工業調べ）のマルチテナント型物流施設となる。
※1：札幌ドーム（建築面積5万3,800㎡）の約1.6個分に相当。
また、両社と大和物流㈱、㈱フレームワークス、㈱Hacobuの5社は、日本全国の持続可能な物流網の構築を目指す「協働プロジェクト」を同施設より推進していく、としている。
「DPL 札幌レールゲート」は、貨物取扱量において北海道最大の貨物駅である「札幌貨物ターミナル駅」構内に立地しているため、鉄道コンテナを利用し全国各地へよりスムーズに輸送できるほか、雪や雨等の天候の影響を受けずに荷物の積み下ろしや通行ができるよう、1・2階に「中車路」や「屋内スロープ」、「屋内トラックバース」を設けたほか、施設全体で170台分のトラックバースを用意しトラックの入場予約システムを利用することでトラックバースへの接車前後の時間のロスを減らす等、施設内の作業効率を高めることが可能な物流施設。あわせて、同施設を皮切りに開始する日本全国の持続可能な物流網の構築を目指す「協働プロジェクト」では、2024年問題（※2）をはじめ、カーボンニュートラルやSDGsの実現、物流を取り巻く様々な課題解決に向けて、両社を含む5社のリソースやノウハウ、テクノロジーを最大限に活かした物流ソリューションを共同で企画・検討・提案を行う、としている。
※2：働き方改革関連法により2024年4月1日以降「自動車運転の業務」に対し、年間の時間外労働時間の制限が施行されることにより発生する諸問題のこと。
●建物概要
名称：「DPL札幌レールゲート」
所在地：札幌市白石区流通センター3丁目227-172他
交通：道央自動車道・大谷地ICより約1km
敷地面積：5万348 ㎡（1万5,230坪）
建築面積：2万9,509㎡（8,926坪）
延床面積：8万6,276㎡（2万6,098坪）
賃貸面積：7万3,073㎡（2万2,104坪）
最大12テナント、1区画約5,400㎡（約1,633坪）から入居可能
構造・規模：鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造、耐震構造・地上3階建て
高さ：24m、幅：253m、奥行き：141m
建物用途：マルチテナント型物流施設
主な設備・仕様等
・全館 LED 照明
・カフェテリア（198 席）
・コンビニエンスストア（予定）
事業主：札幌貨物施設開発特定目的会社
設計・施工：戸田建設㈱
着工：2020年7月1日
竣工：2022年5月31日
入居：2022年6月1日
総投資額：約150億円
●「協働プロジェクト」のポイント
全国の鉄道網と物流施設等の物理的なインフラを効率的に活用することで、持続可能な物流ネットワークの構築を目指すもの
①貨物駅等と連接する物流施設の開発を軸とした、鉄道輸送を使いやすくする物流の 仕組みの企画および事業化の検討
②同プロジェクト参加企業の販売チャネル拡大に向けた営業施策の企画・実行
③鉄道を含む物流機能をシームレスに結節する物流システムに関する調査・検討
