㈱豊田自動織機は5月19日、「iFデザインアワード2022」に同社グループの産業車両4製品が選定されたと発表した。このうち、欧州子会社が生産する電動式リーチタイプフォークリフト「BT Reflex E-series」は金賞を受賞した。

iFデザイン賞は、ドイツ・ハノーバーを本拠地とする、1953年に設立された世界で最も長い歴史を持つデザイン団体iF International Forum Designが主催し、国際的に権威のあるデザイン賞の1つ。

2022年は57の国・地域から1万件を超える応募があり、専門家による厳正な審査の結果、3,512件がデザイン賞、73件が金賞を受賞した。

●受賞4製品
(1)iFデザイン金賞受賞
◎電動式リーチタイプフォークリフト「BT Reflex E-series」(日本未導入モデル)

電動式リーチタイプフォークリフト「BT Reflex E-series」

BT Reflex E-seriesは、オペレーターの上方確認作業の繰り返しによる作業姿勢の負担軽減のため、運転席が傾斜する世界で唯一のフォークリフト。オペレーターに配慮した設計だけでなく、安全性、人間工学、エネルギー効率等、あらゆる面で優れたデザインである点が高く評価された。本製品は、ドイツ・デザインアワード2022においても金賞を受賞。

(2)iFデザイン賞受賞
◎自動運転トーイングトラクター

自動運転トーイングトラクター

自動運転トーイングトラクターは、空港において手荷物や貨物を収容したコンテナ等を牽引し、自動運転で搬送する車両。同車両には、周囲の状況や自車および目的地の位置を的確に認識し、安全かつ正確に走行するための技術として、2次元/3次元LiDAR(※1)による障害物検知と自動停止、路面パターンマッチング(※2)とGNSSによる自己位置推定・誘導機能を採用している。実用化に向け、2021年3月には羽田空港にて全日本空輸㈱と共同で実証試験を実施した。本製品は、2021年度グッドデザイン賞においてもグッドデザイン・ベスト100を受賞。

※1:対象物にレーザ光を照射し、その反射光を測定することで対象物までの距離を正確に測定できるセンサで、車両周辺状況の把握に使用
※2:車両に搭載したカメラで撮影した路面画像と事前に作成した路面画像マップデータをマッチングすることで、車両の位置・姿勢情報を取得する技術
※3:Global Navigation Satellite Systemの略で、米国のGPS、日本の準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称

◎電動式カウンタータイプフォークリフト「Traigo 80 2-3.5ton」(日本未導入モデル)

電動式カウンタータイプフォークリフト「Traigo80 2-3.5ton」

Traigo80 2-3.5tonは、屋内と屋外の両方の環境における運転に適した耐久性と信頼性を兼ね備え、顧客の電動化へのシフトを可能にするフォークリフト。また、騒音・振動からオペレーターを保護する運転席のフローティング構造や、エルゴノミクスを追求したタッチ画面付きアームレストを搭載しており、快適で使い勝手のよい作業環境を提供する。

◎ウルトラリフター(コンセプトモデル)

ウルトラリフター(コンセプトモデル)

ウルトラリフターは、顧客の物流倉庫を再現した仮想空間内で、自動運転を学習するフォークリフト。人工知能により人や物を認識し、優先順位をつけて状況判断を行い、動作を学習する。また、他の物流機器と連動して最適な走行ルートや機台の台数を算出し、顧客の現場での自動化ソリューションの迅速な導入を実現する。

ドイツ・ベルリンで開催された授賞式