パナソニック ホールディングス(株)は4月15日、神奈川県藤沢市のFujisawaサスティナブル・スマートタウン（Fujisawa SST）で実施中の小型低速ロボットを使った住宅街向け配送サービスの実証実験において、国内で初めて（同社調べ）完全遠隔監視・操作型（フルリモート型）の公道走行の許可に関わる審査に合格し、道路使用許可を取得した。
これまで道路運送車両法に基づく保安基準緩和認定の条件として、ロボット近傍での配置が必須となっていた保安要員の配置が不要となり、完全遠隔監視・操作型での暮らしに溶け込むロボットを活用した配送サービス等の実証実験が可能になる。
少子高齢化による労働力不足に対して同社では小型低速ロボットを活用した配送サービスの実用化に向けて取り組んでおり、2020年11月からFujisawa SSTで実証実験を開始。これまでに国内で初めて（同社調べ）1名のオペレーターが遠隔で4台同時に監視しながら公道での自動走行や、自動走行ロボットを活用した店舗から住宅への配送サービス実証等を実施してきた。これらの実証実験では安全確保の徹底や緊急時の対応のため、オペレーターによる遠隔監視・操作に加えて、ロボット近傍に保安要員を配置して運行を行ってきた。
●特定自動配送ロボット等の公道実証実験に係る道路使用許可基準
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/selfdriving/robotkijun2.pdf
今回、完全遠隔監視・操作型でのロボットの公道走行が可能になることにより、さらなる運行の効率化に加えて、小型低速ロボットを用いた配送サービスの展開や拡大が期待できる。
パナソニックHDは、今回進化させた技術を搭載した小型低速ロボットや遠隔管制システムをエリアモビリティサービスプラットフォーム「X-Area（クロスエリア）」と名付けた。今後、顧客ニーズに応じて提供し、暮らしに寄り添う次世代モビリティサービスが街にあふれ、顧客が望むモノやサービスをいつでも・どこでも・非対面で・気軽に受けることができる世界の実現を目指す。
具体的には、今年5月からFujisawa SSTで商業施設から住民に商品を配送する実証サービスを提供する予定。
●X-Area（クロスエリア）について
地域住民や企業、NPOなど様々なコミュニティに寄り添い、エリアにあった最適なサービスの実現をサポートするサービスプラットフォームの総称。エリアにおける「くらし」と「しごと」のウェルビーイングに貢献する。
モビリティソリューションズ エリアモビリティ
https://holdings.panasonic/jp/corporate/mobility/solutions/areamobility.html
なお、X-Areaで用いられている遠隔管制システム「X-Area Remote」では、多様なモビリティを複数台まとめて統合的に監視・操作・運用管理するクラウドシステムを提供している。2022年3月1日から大阪・舞洲地区で実施されている次世代都市交通システムの実用化を目指した実証実験で活用されている。
●X-Areaを用いた実証サービスについて
2022年5月からFujisawa SSTで、X-Areaを用いて店舗から住宅へ焼き立てパンや野菜等を配送するサービスの実証実験を行う予定。
