先進運転支援システム(ADAS)や自動運転車両向け物体認識AIソフトウェア「SVNet」を提供する韓国StradVision, Inc.(ストラドビジョ)は3月30日、ドイツ自動車部品製造大手のZFが自動運転技術のポートフォリオを拡大するため、ストラドビジョン株式の6%を取得したと発表した。
自動運転車両のためのソフトウェアはZFの製品ポートフォリオにおける戦略的技術分野の1つで、同社の自動車およびモビリティ分野向けAD(自動運転)システム・ソリューションには、「ZF ProAI」等の高性能コンピュータ、ADASおよびAD機能をサポートする自動車用ソフトウェア、カメラ、レーダー、LiDAR等のセンサ、スマートアクチュエータ等が含まれている。
ストラドビジョンの物体認識技術は、自動運転の安全規制基準や様々なモビリティアプリケーションのニーズに応じた機能・品質を実現。ZFは今回の資本提携によってストラドビジョンの物体認識AI等の技術を活用し、自動運転レベル3およびレベル4システムのためのグローバル・エコシステムを強化していく。
●物体認識AIソフトウェア「SVNet」
カメラ映像からディープラーニングによって検知する自動運転車両向けの物体認識AIソフトウェア。自動運転レベル2のADAS機能、およびレベル3・4の自律走行をサポートする。
過酷な気象状況や周囲の明かりが乏しい場合でも、車両が他の車両や車線、歩行者、動物、空き地、交通標識、信号機等の対象物を正確に検出・識別できるほか、LiDARやRADAR等の複数のセンサとの統合によってサラウンドビジョンシステムを構築し、自動駐車の支援も実現する。
SVNetは14種類以上のハードウェアプラットフォームに対応しており、特許取得済みの技術によってネットワークパラメータサイズや必要とする演算量、メモリ使用量を少なくしながら、高い物体検出・認識精度を実現。製品特性に応じたチップ(SoC)への組み込みや、高価なセンサをカメラに置き換えた利用が可能で、競合他社の製品と比較して数分の1のコストでADASや量産自動車への提供を可能にしている。