独ONTEC Automation GmbHは3月、生産環境を拡張して全自動でインテリジェントにネットワーク化された生産へと変革を進める要求の増大に対応するため、自律運転ロボット支援システム「スマートロボットアシスタント」を開発したと発表した。

コイルクリールの自動配置を行う自律運転ロボット支援システム

同システムは機動性と自動化の相乗効果を利用。強力で効率的なイントラロジスティクスプラットフォームと、柔軟なロボットアーム、独IDS Imaging Development Systems GmbH製3D ステレオカメラシステムEnsenso Nシリーズで構成されている。

同ソリューションは汎用で、重量物を扱う単調な準備作業や配置作業等を任せることができる。自律搬送システムとして、ユーロパレットのコンテナまでのフロアリフティングに適しており、産業規格や最大荷重1,200kgの様々なメッシュパレットにも使用できる。繊維工業の顧客では、AGV (無人搬送車) がコイルクリールの自動ローディングに使用される。その目的で、糸巻きスプールを搭載したパレットをピックアップして、指定のクリールまで搬送し、積み上げてその後の処理を行う。専用に開発されたグリッパーシステムを使用して、最大1,000台の糸パッケージを8時間のシフトでピックアップして、クリールの心棒に押し込む。コイルのサイズ編成や位置を、グリッパーのアームに取り付けられたEnsenso 3Dカメラ (N45シリーズ) で撮影する。

産業用糸巻きを積載したパレットを、あらかじめ指定された保管場所の床からピックアップして、クリールの場所まで搬送する。ここでグリッパーがパレットの真上に配置される。画像トリガーがN45シリーズ Ensenso 3Dカメラに送信され、インハウスのソフトウェアONTEC SPSCommによってトリガーされる。車両のPLCとネットワークで接続されているので、データを読み取って転送できる。アプリケーションでは、SPSCommが車両、グリッパー、カメラのソフトウェア部分の通信を制御。その方法で、カメラで車両とグラバーが写真を撮影する位置にきたタイミングを認識できる。ここで画像を撮影して、HALCONソフトウェア規格に基づいてONTECからソフトウェアソリューションに点群を転送し、これによってパレット上のコイルの座標をロボットに通知する。ロボットはコイルを正確にピックアップして、その後の処理に進むことができる。グリッパーが糸巻きのレイヤーをすべて巻き取ると、Ensensoカメラが糸巻きの間にあるパッケージ材の写真を撮影し、この点群も提供する。これらの点群は同様に処理され、ニードルグリッパーが中間レイヤーを取り外すための情報をロボットに提供する。

●ONTEC Automation GmbH
革新的な統合オートメーションシステム、プラント、産業生産向け特殊マシンのシステムプロバイダー。テクニカルテキスタイルソリューション、オートメーションソリューション、スマートロボットソリューション、配電盤ソリューションの事業部門がある。同社は25年の経験から得た知識を、革新的な顧客中心のソリューションとバリューチェーン全体に適用し、ロボット工学、産業用画像処理、ソフトウェア開発、電気工学、機械工学を対象としている。

●IDS Imaging Development Systems GmbH
産業用カメラメーカーIDS Imaging Development Systems GmbH は、高性能で使いやすい USB、GigEおよび3Dカメラを開発し、多彩なセンサとモデルを取り揃えている。研究開発分野でも、装置や工場設備など機械工学を始めとする産業分野でも様々な活躍をしている。定評のあるCMOSセンサカメラに加えて、IDSではビジョンアプリベースのセンサとカメラも製品ラインナップとして展開している。なかでも斬新な画像処理プラットフォームIDS NXTは自由にプログラミングでき、汎用性に優れている。