キリングループロジスティクス(株)(KGL)は3月22日、キリンビールおよびキリンビバレッジの商品配送にあたり、2019年より「ASN(Advanced Shipping Notice:事前出荷情報)データ」を利用したトラック単位での「検品レス」の取り組みを推進した結果、導入前と比較して、年間で配送トラックの拘束時間が最大30%削減されることが2022年2月に判明したことを明らかにした。

今後は「ASNデータ」の送受信で使用するシステムの改修を重ねることで、さらなる利便性の向上を目指す。

「検品レス」の取り組みは、配送先からの注文内容を、「ASNデータ」として出荷日や発注番号、出荷数量等の商品情報を配送トラック単位(※)でまとめ、事前に配送先に提供することで、荷下ろしにおける検品を簡易化・効率化するもの。以前は配送先へトラックが到着してから荷下ろし・検品を行うことで配送した商品情報を確認していたが、「ASN データ」を配送先にあらかじめ送信することで、配送先でも事前に配荷準備が進められ、トラックの待機時間が短縮された。

※基本的にトラック単位での「ASN データ」の送信となるが、積載した製品の鮮度日付(製造・賞味期限)がトラック内で異なる場合は「ユニット単位」で「ASNデータ」を送信する。

KGLは2018年より三菱食品(株)と同取り組みを開始し、2021年からは日本酒類販売(株)とも開始したことで、東北・首都圏・九州エリアを中心に合計15件の配送先へ導入した。今後はさらなる「検品レス」の導入拡大を目指して、導入現場の声を踏まえた「ASNデータ」の送受信システムの改修を行うほか、新規配送先との取り組みを目指す。「検品レス」を推進することで、配送トラックの待機時間削減や配送先の作業効率向上を図り、物流環境の改善に取り組む。

「ASN データ」を利用したトラック単位での「検品レス」取り組みのイメージ(導入前後比較)