㈱カインズは10月24日、資本提携関係にある㈱大都の全株式取得に向けて基本合意を締結したと発表した。

本合意書により、大都をカインズグループに迎え入れて協業体制を敷き、カインズが持つ250以上の店舗網と大都のプロ特化EC、さらに両社のサプライヤーネットワークをフル活用することで、プロが道具や材料をストレスなく購入できる唯一無二のビジネスモデル確立を目指す。 なお、本件は現時点での合意内容をまとめたものであり、今後、デューデリジェンスなど必要な手続きを経て、正式な契約締結および株式取得の可否を決定していくとしている。

カインズは1989年の設立以来、「商業を通して社会の発展に貢献する」をモットーに、各地域の住民ニーズに寄り添いながら事業活動を行っている。オリジナル商品の開発へと舵を切った2007年のSPA宣言や、IT技術を活用してより快適で楽しい購買体験の実現を目指した2018年のIT小売業宣言等、小売業やホームセンターの枠にとらわれない挑戦を続けている。また、2020年には建築プロのための会員制卸売店舗「C’z PRO(シーズプロ)」を出店する等、プロ向けの事業にも注力。店舗とサービスの展開を通して、日本のインフラを支えるプロの「今日より良い明日を創る」=「未来創造の実現」をサポートしている。

大都は大工道具の卸問屋として創業した1937年以来、「日本の住まいを変えていく」をコンセプトに、工具の販売にとどまらず、DIY マーケットや住宅・インテリア産業を中心に新しいサービスを次々と展開。インターネット黎明期の2002年にオンライン通販事業に参入し、現在はBtoB(事業者向け)通販サイト「トラノテ」では建設業など現場で必要な工具や消耗品を400万点以上販売。BtoC(モール出店)では工具や塗料などDIY用品の国内最大級のECサイト「DIY FACTORY」を運営。日本の住まいを自由にするため、取引先との国内最大級のデータ連携システムを自社開発し、工具業界のサプライチェーンプラットフォームを構築している。

●背景と目的
両社は2016年に業務提携、2017年に資本業務提携を締結して以来、それぞれのカルチャーや社風を理解し合い、共同でのワークショップ開催などを通じて、DIY文化の醸成に取り組んできた。一方、市場においては、建築等に携わる職人やプロ人材の人手不足が深刻化し、業務効率化がますます求められている。プロの「必要な道具や材料を早く、確実に手に入れたい。」というニーズへの対応をはじめ、様々な課題を解決していく上で、今回、同じ志を持つ大都をカインズグループに迎え入れることにしたとしている。

今後は、カインズが持つ250以上の店舗網と、大都が運営するプロ特化EC「トラノテ」が扱う400万点以上のアイテム、両社のサプライヤーネットワークをフル活用し、それぞれの強みであるリアルとデジタルを融合させたサービスで職人・プロ人材のニーズに応え、プロ市場における唯一無二のビジネスモデルを確立していくとしている。

●スケジュール
基本合意書締結日:2025年10月21日
株式譲渡契約締結日:2025年11月下旬(予定)
株式譲渡実行日:2025年12月下旬(予定)