ヤマト運輸㈱は5月27日、従業員が安全・安心して働くことができる環境の整備を目的に、熱中症対策の一環として、2025年6月から「ファン付きベスト」の導入を拡大すると発表した。
また、全国の事業所にWBGT(暑さ指数)を測定する機器を設置し、熱中症リスクを感知する「ウェアラブルデバイス」の実証を一部エリアで開始する等、熱中症対策をさらに強化する。

●ファン付きベスト
2021年から台車や自転車で集配業務を行うセールスドライバーを対象に約6,500着を貸与し、熱中症対策としての効果を検証してきた。今回トラックで集配業務を行うセールスドライバーに新たに貸与するファン付きベストは、運転の妨げとならないよう、ファンの取り付け部分を背面から側面に7cmずらした仕様に改良している。
貸与対象者:トラックで集配業務を行うセールスドライバーと作業職の社員(北海道、秋田県、岩手県、宮城県一部を除く)
導入枚数:約7万5,000着
●WBGT(暑さ指数)測定器
これまでも環境省が発表するWBGT値を活用し、各事業所でスポットクーラーや冷風機等の設置や、従業員に対して給水頻度の注意喚起等を行ってきた。これまで一部の事業所に導入していたWBGT測定器を全国の事業所に設置することで、設置場所ごとの作業環境を正確に把握し、いち早く状況に応じた対策をとれる環境を作る。
導入先:全国の事業所(営業所、ベース、法人関連オペレーション拠点等)
導入台数:約3,000台
●ウェアラブルデバイス
手首に装着することで体の深部体温の変化が測定され、熱中症のリスクを音・光・バイブレーションで認識できる。無自覚に陥りやすい初期症状を感知し、水分補給や休憩を促すことで、症状の放置や対応の遅れによる熱中症の重症化を防ぐ。今回の実証では、熱中症対策としての有効性を検証するほか、感知した時間帯や回数、エリア等のデータを集計することで、今後の熱中症対策に役立てる。
貸与対象者:セールスドライバーと作業職の社員(長崎県、東京都一部)
導入台数:約2,500台