㈱メディパルホールディングスは5月27日、同社連結子会社の㈱メディセオが、兵庫県加東市に「メディカル流通センター(MRC)神戸」を竣工した。

「メディカル流通センター神戸」

MRC神戸は、西日本に製造拠点のある製薬企業から委託された商品の受注・保管・管理・出荷等の物流業務(メーカー物流)を担う物流センター。設備投資額は約64億円となる予定。

メーカー物流を担うMRC神戸は、すでに稼働しているMRC東京、MRC中国に続き3か所目のMRCとなる。同センターは、2024年1月まで稼働していたメディセオの「西日本物流センター」をフルリノベーションした建屋で、GDPガイドライン(※1)に準拠した高水準の物流機能に加え、多くの省力化・省人化設備を備えており、環境に配慮したグリーンロジスティクスへの対応ならびにサステナビリティ推進に万全を期す体制を整備している。

メディセオでは、これらのMRCと、主要顧客の発注による商品の出庫・納品までの配送流通を担う全国13か所に設置されたALC(※2)をシームレスに結ぶことにより、製薬企業から最終需要者までのサプライチェーン全体の最適化を図り、医療と患者さんへのさらなる貢献に努めていくとしている。

※1:2018年厚生労働省が発出した、医薬品の適正流通(Good Distribution Practice)のガイドライン
※2:Area Logistics Centerの略。医療用医薬品や医療材料等を取り扱う高機能物流センター

●拠点概要
拠点名称:「メディカル流通センター神戸」
所在地:兵庫県加東市南山6-6-2
敷地面積:3万981㎡(9,340坪)
建築面積:1万5,029㎡(4,546坪)
延床面積:4万4,585㎡(1万3,487坪)
構造:鉄骨造(耐震構造)、地上3階建

●特長
①GDPガイドラインに準拠した高水準の物流機能
GDPガイドラインに準拠し、各メーカーの手順に対応したSOP(標準作業手順書※)を整備し、温度管理、偽薬対策、衛生管理など適切な保管・管理を行う。

※SOP(Standard Operating Procedures):GDPガイドラインに準拠した標準作業手順書

②省人・省力化
将来の労働人口減少に備え、大幅な自動化設備の導入を進めている。重量物の出庫には、ロボットによる自動出庫や作業員の負担軽減を目的としたバランサを導入した。さらに、センター内の搬送は無人搬送車(AGV)や高速パレット搬送台車を導入することで、センター全体での省人化・省力化を実現している。

③グリーンロジスティクス(SDGs)
保管・輸配送の共同化による輸送車両の効率化を実現することで、温室効果ガス排出量の削減と環境負荷の軽減を目指す。また、入荷予約管理システムの導入により、入荷時のトラック待機時間を短縮し、スムーズな物流オペレーションを実現する。

④サステナビリティ推進に万全を期す体制を整備
MRC神戸は全ての保管温度帯に対応すると共に自家発電設備・瞬時電圧低下補償装置による安定稼働、免震装置(ミューソレータ)による商品落下・破損防止等、災害発生時にも「止まらない物流」を実現するため、万全の体制構築に努めている。

●設備投資額(予定)
総額約64億円(建物、設備、機器等)

●稼働開始時期
2025年10月中旬