(一社)日本物流団体連合会(物流連)は1月1日、真貝康一会長による2025年の年頭挨拶を発表した。
●日本物流団体連合会・真貝康一会長の2025年年頭挨拶
新年あけましておめでとうございます。2025年の年頭にあたり一言ご挨拶申し上げます。
昨年は、ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルと周辺諸国との紛争について、終息が見えず長期化する一方、アメリカ大統領選挙の結果や中国の景気停滞の影響もあり、世界景気の動向が見通せない状況となっています。
国内に目を転じますと、元旦に能登半島地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表されたほか、猛暑や大雨災害等、自然の変化の影響を大変多く受けた年でもありました。
我々物流業界においては、4月にいよいよ「物流の2024年問題」トラックドライバーの時間外労働規制の適用が開始されました。
この対応については、国において改正物流法の公布、物流関係予算の大幅な増加や、「新たなモーダルシフトに向けた対応方策」の公表等様々な動きがあり、「持続的な物流の発展」を目指す国の強い意志が示された年でありました・
このようななか、物流連でも様々な活動を実施してまいりました。
まず「物流を等身大で社会一般から見ていただく活動」では、学生を対象として従来行ってきた物流業界セミナーやインターンシップについて、学生の就職活動の早期化に対応し、会員企業のご協力のもと、時期や運営方法を見直しました。その結果、夏のイベントについては、昨年と比較し学生の参加数が大幅に増加しました。そのほか、少人数を対象とする物流業界セミナー・座談会をWebで新たに開催する等、より多くの学生に「リアルな物流業の実態と物流業の重要性」を認識してもらう機会を増やし、人材育成と広報活動の強化を継続しました。
また「国際的な課題への取組み強化」では、一昨年より実施してきたベトナムに対する調査のとりまとめを行い、それに続くものとしてインドの物流事情の調査を開始したほか、世界情勢の不安定化や感染症拡大により中止してきた海外物流視察団を9年ぶりに結成し、タイ・ベトナムの物流施設に対する視察を行いました。
「物流環境対策への取組み」では、モーダルシフトを強力に推進するという国の方針を受け、物流連としてもこれまで以上に「モーダルシフト」の促進を図るため、従来行ってきた表彰制度である「モーダルシフト取組み優良事業者賞」について、荷主企業も共同で応募できるようにする等、規定と名称を見直し、装いも新たに「モーダルシフト優良事業者大賞表彰」として実施しました。
「物流の2024 年問題」だけでなく今後の少子高齢化が不可避な日本において、また激甚化する自然災害への対応やカーボンニュートラル実現への対応等、さまざまな課題に直面しているなか、今後も物流の持続的な成長を実現していくためには、物流構造の抜本的かつ革新的な根幹からの改革が社会から求められており、国や地方自治体、荷主の皆様・一般消費者の皆様等、関係者すべてが連携・協力し、モーダル総体での「モーダルコンビネーションの最適解」を追求していかなければなりません。
物流連としても、人材の確保や効率化を進めるための標準化を推進するほか、物流業界が抱える様々な問題について、荷主・消費者等一般の皆様に知っていただき理解していただく取り組みを、引き続き国と連携して積極的に進めていく所存です。
新しい年を迎えるにあたり、本年が物流業界にとり飛躍の年となること、そして、物流の現場での安全を祈念し、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。