㈱山善は11月27日、経済的な理由等により修学困難な学生をサポートすることを目的として「公益信託山本猛夫記念奨学基金」を1992年に設立し委託者として支援しているが、今年度は新たに6名の学生が新規奨学生として認定され、11月26日に認定書授与式を山善大阪本社で行ったことを明らかにした。

授与式の記念撮影。左より、代表取締役社長の岸田貢司氏、新規奨学生、基金運営委員長 大阪公立大学 松本淳教授、取締役 専務執行役員の山添正道氏

同基金は、同社創業者の山本猛夫氏の「勉強したくても十分に出来なかった悔しさをバネに経営に打ち込んできた。1人でも多くの人に勉学に励んで欲しい」という強い遺志を継承し、1992年に設立された。同基金から奨学金を受けた学生はアジアからの留学生を含め、今回の認定で累計133名となり、多方面で活躍している。

11月26日に行われた授与式には新規奨学生のうち2名が出席し、基金運営委員長である大阪公立大学教授の松本淳教授、同社代表取締役社長の岸田貢司氏が奨学生に向けて激励の言葉を贈った。続いて、新規奨学生が認定書を受け取り、さらなる学業への精進を誓ったほか、すでに奨学金を受給している学生4名も出席し、奨学生同士の交流の場を設けた。

●創業者・山本猛夫氏(やまもと・たけお 1921~1991)

山本猛夫氏

1921年福井県生まれ。1943年に山善の前身である「大阪工具製作所」を設立し、その後太平洋戦争に応召、生還。1947年に「山善工具製販㈱」を設立。1970年には東京・大阪株式市場第1部への上場を果たす。1971年に「㈱山善」に社名変更。1973年には自身をモデルにした小説「どてらい男」が、テレビドラマ化され、3年半にわたり全国放映されるなど人気番組となった。1991年に会長に就任、同年逝去。正五位叙位、勲三等瑞宝章を受章。