㈱オカムラと㈱日立製作所は9月30日、日立が提供する無人コミュニケーション店舗「CO-URIBA(コウリバ※1)」の日立社内における活用の成果を受けて、従業員のウェルビーイング(※2)を高めるオフィス空間作りに向けた共創を開始した。

具体的には、リモートワークの増加等によるコミュニケーション不足を解消し、従業員同士の交流を促進することを目的に、小型の売場にサイネージ、センサ機能、生体認証等を組み合わせた無人コミュニケーション店舗「CO-URIBA」をオカムラのオフィスに設置。そこでは、従業員が顔認証でチェックイン後、商品を手に取るだけで手ぶらでのスマートな買い物が可能なだけでなく、「ありがとうクーポン」の機能を活用することで、会社から従業員、同僚から同僚に、感謝の気持ちをクーポンで贈り合うことができるとしている。

それにより、職場内のコミュニケーションの活性化や、仲間との共感・助け合いのマインドの醸成を図る。感謝の気持ちを伝え合うことをきっかけとした遠隔地コミュニケーションの活性化の検証や「CO-URIBA」が設置された空間の付加価値の検証等を行う。

今後、両社は今回の共創におけるオカムラ社内における「CO-URIBA」の活用成果を踏まえて、「CO-URIBA」をオフィスにおけるコミュニケーション活性化ツールの1つとして様々な企業のオフィス拠点への展開と、オカムラのソリューションと「CO-URIBA」を組み合わせた新たなオフィス空間の提案を目指すとしている。

※1:CO-URIBA:小さなスペースを生かし、ともに売り場をつくりたい」というコンセプトで提供する、日立の小型無人店舗のサービス
https://www.hitachi.co.jp/products/it/finance/innovation/CO-URIBA/index.html

※2:身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること

近年、企業における人的資本経営や健康経営が広まる中で、従業員のウェルビーイングが注目されており、企業はウェルビーイングな働き方を推進していくことを求められてる。

オカムラでは、心と体の調和が取れ、活力が向上している状態を「WELL at Work(ウェルアットワーク)」とし、その実現をサポートするために従業員がパフォーマンスを最大限に発揮しそれぞれの働きがい向上を目指すための空間づくりや働き方の提案をしている。また、オカムラ社内においても「WELL at Work」の実現を目指した自社オフィス「CO-EN LABO(交縁ラボ)」が、健康的な空間作りの国際的な認証制度「WELL Building Standard v2(WELL認証v2)」で最高ランクの「プラチナ」を取得している。

日立製作所は、2024中期経営計画において「データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現して人々の幸せを支える」ことを目指す姿として掲げており、その一環として従業員の幸せとウェルビーイングの実現を追求している。今回の共創に先立ち、従業員のウェルビーイング向上とコミュニケーション活性化を目的に日立グループ内の15拠点にて「CO-URIBA」を設置している。アンケートに回答した利用者の80%以上が、新たなコミュニケーション促進や出社への動機づけにつながったと回答する等、一定の効果が確認できたとしいている。

●無人コミュニケーション店舗「CO-URIBA」
利用者は、生体情報とクレジットカード情報等の決済情報をあらかじめ登録しておくことで、利用時に顔認証でチェックインし「CO-URIBA」の棚から商品を手に取ると、センサが商品を自動で選定し決済が完了する。「CO-URIBA」に設置されているサイネージには、商品のお得情報だけでなく、オフィス活用においては会社からのイベント情報等、従業員にとって価値ある情報をタイムリーに流すことが可能。

また、「ありがとうクーポン」は、会社から従業員、同僚から同僚と、感謝の気持ちをクーポンで贈り合うことができる機能。クーポンは「CO-URIBA」のウェブサイトからいつでもどこからでも贈ることが可能で、他の人に「ありがとうクーポン」を贈ることで、贈った人と貰った人の双方がクーポンを使って「CO-URIBA」で買い物ができる。場所が離れていても気軽に「ありがとう」の気持ちを伝え合うことで、他者とのつながりを感じ、感謝の気持ちを伝え合うことをきっかけとしたコミュニケーション活性化を促進する。

●概要
今回の共創では、「CO-URIBA」をオカムラのオフィス2拠点に設置し、拠点が離れた従業員間で感謝を伝え合うコミュニケーションを醸成する。また、オカムラや日立の拠点における活用実績をふまえ、「CO-URIBA」を活用した新たな空間提案につなげていくほか、利用者の購買情報や行動ログ等のデータを活用した、新たな価値創出についても検討する。

オカムラのオフィスに設置した「CO-URIBA」

●オカムラ社内における「CO-URIBA」活用の概要
期間:2024年9月~11月
導入場所:オカムラ ラボオフィス「We Labo」(東京都千代田区)、オカムラ ラボオフィス「CO-RiZ LABO」(東京都中央区)
対象部門:「We Labo」で働く空間デザイン部門・コンサルティング部門等、「CO-RiZ LABO」で働く営業部門・空間デザイン部門など
取り組み内容:
・オカムラのオフィス2拠点に無人コミュニケーション店舗「CO-URIBA」を設置
・感謝の気持ちを伝え合うことをきっかけとした遠隔地コミュニケーションの活性化の検証
・「CO-URIBA」が設置された空間の付加価値の検証
・利用者の購買情報や行動ログ等のデータの分析