ヤマトホールディングス㈱(ヤマトHD)は10月1日、傘下のヤマトオートワークス㈱(YAW)が、車両を使用する事業者の脱炭素化に向けて温室効果ガス(GHG)削減計画の立案からEV・充電器の導入・運用支援、メンテナンス、エネルギーマネジメント、再生可能エネルギー(再エネ)供給までワンストップで提供する「EVライフサイクルサービス」を、同日から開始すると発表した。なお、同サービスは芙蓉総合リース㈱と連携のもと提供する。

●背景および目的
ヤマトグループは、2050年GHG自社排出実質ゼロの実現に向けて、EV導入や太陽光発電設備の導入等、各取り組みを進めている。2011年からラストマイルの集配車両のEV化を開始し、約2,300台(※1)のEVを保有しているほか、太陽光発電設備105基(※1)の設置や再エネの調達、エネルギーマネジメントシステムの開発等を推進している。

芙蓉リースグループは、社会課題の解決を通じて企業の持続的な成長を実現するCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)を経営の中心軸に位置づけて、重要な課題(マテリアリティ)の1つとして「脱炭素社会実現への貢献」を掲げ事業活動を通じたCO2削減に取り組んでいる。「自社グループの脱炭素化」と「お客さま・社会の脱炭素化」の両輪で取り組みを進め、2018年に国内の総合リース会社として初めて「RE100(Renewable Energy 100%)」に加盟し、2023年実績で消費電力の再エネ化率を85%まで引き上げている。また、再エネ発電事業による再エネ電力の供給や、リース事業等を通じて顧客の再エネ・省エネ設備の導入を推進している。モビリティ事業分野においては、EVの導入促進を通じて脱炭素化社会実現に貢献している。

今回、ヤマトグループ内でEVメンテナンスや充電器設置を実施してきたYAWは、商用車リースに知見を持つ芙蓉リース傘下のヤマトリース㈱(YL)との機能連携のもと、「EVライフサイクルサービス」を開始する。

●EVライフサイクルサービス概要
中長期の目標や現状に応じたGHG削減計画の立案からEV・充電器の導入・運用支援、メンテナンス、エネルギーマネジメント、再エネ供給までをワンストップで提供する。EVを扱った経験がない事業者でも円滑にEVを導入・運用できるだけでなく、バッテリーの価値を考慮した残価設定や補助金の活用等により、脱炭素と経済性の両立を実現する。

(1)サービス内容
①GHG削減計画の立案
車両を使用する事業者の脱炭素目標達成に向けて、EV導入や再エネの活用等、最適なGHG削減計画を立案する。

②EV・充電器の導入・運用支援
芙蓉リース・YLと連携し、EV・充電器のリース提供と各種補助金の活用を支援する。また、導入台数に応じた最適な充電器の設置レイアウトを提案する。

③EV・充電器の点検、メンテナンス
YAWの全国72の整備拠点(※1)において、事業者のEV稼働を止めることなく、車両の法定点検、メンテナンス、充電器の定期点検を行う。

④エネルギーマネジメントシステムの提供(※2)
ヤマトグループが開発したエネルギーマネジメントシステム(※3)を用いて、電力使用量の可視化や充電による待機時間の削減、電力使用ピークの緩和、太陽光発電設備・蓄電池との連動を支援する。

⑤再エネの供給(※2)
ヤマトグループが保有する太陽光発電設備由来の電力を含む、再エネを供給する。

⑥EV入替・廃棄
車両の再販やバッテリーリサイクルに対応する。

(2)提供開始日
2024年10月1日(火)

(3)提供車両
軽バンタイプのEVから取り扱いを開始する。

●今後について
今後は、新たな車種・車格の拡大やバッテリーのリサイクル、交換式バッテリー対応EVの取り扱い等、日本全体の脱炭素化に向けて取り組みを推進していくとしている。

※1:2024年10月1日現在

※2:2025年度末までにサービス提供予定

※3:NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業を活用して開発したもの。
参考プレスリリース:NEDO「グリーンイノベーション基金事業」でグリーンデリバリーの実現に向けた2案件が採択(2022年7月19日)
URL: https://www.yamato-hd.co.jp/news/2022/newsrelease_20220719_1.html