(一社)日本物流団体連合会(物流鵜連)は3月11日、全日通霞が関ビル(東京都千代田区)で令和5年度第2回物流環境対策委員会(委員長:日本貨物鉄道㈱ 取締役兼常務執行役員 経営統括本部長 篠部武嗣氏)を開催した。

会場全景

同委員会は、物流の低炭素・脱炭素化や効率的な輸送システムの構築等、物流分野の環境対策の促進を目的として、諸課題の検討や情報提供を行っているほか、優良事業者・優良事例の表彰等を通じて環境対策の普及促進に取り組んでおり、年2回講演も開催している。まず第1部として講演会を実施し、第2部で令和5年度の活動報告と令和6年度の活動内容案を審議した。

第1部の講演会では、物流連が主催する「令和5年度モーダルシフト最優良事業者公表・表彰」で大賞を受賞した佐川急便㈱と全国通運㈱が、それぞれ自社のモーダルシフト取り組み事例について講演を行った。

佐川急便は取り組み事例を「飛脚JR貨物コンテナ便」と称し、佐川急便の配送網を利用し、集荷から配達までを鉄道輸送でトータルプロデュースするサービスを提供している。鉄道コンテナに満たない荷量の荷主も帰り便のことを気にせず発注可能で、商品の納期に合わせ製造、発送ができるため、鉄道を利用したことのない顧客へのアプローチが可能な点が大きな強みとなっている。インターネットの普及に伴うEC化が加速したことにより、これまで以上に宅配ニーズは高まっており、今後の物量増加を想定した効率性の観点も加味し、鉄道輸送にも注力していくと説明した。

続いて、全国通運は「卸売業者と複数の小売業者の連携による鉄道貨物へのモーダルシフトについて」と題して取り組み事例を紹介。これまで輸送手段を生産者に任せて少量輸送で非効率だった輸送を集約し、各小売業者が調達先の特定や商品や産地を統一することで鉄道輸送を実現させた。今まで鉄道輸送では難しいと思われていた青果物、鶏卵等も小売業者との綿密な連携で輸送を行っており、鉄道輸送をアピールする上で様々なアプローチを行っている点について、事例や苦労した点を交えて説明した。

講演を行う佐川急便㈱の佐藤諒平氏(左)と全国通運㈱の佐藤貴広氏(右)

第2部の委員会では、来年度の活動計画案について重点的に審議した。委員会で取り扱う表彰制度の1つである「モーダルシフト最優良事業者公表・表彰」については、応募門戸を広げるするため規定を改定することを検討していること、また3年前から始まった勉強会「物流分野における脱炭素・低炭素推進化における情報交換会」については、昨年10月16日に初めて実施した環境負荷低減に資する施設の見学会も好評だったため、来年度も引き続き開催すること、今年2月に金融庁が「東京証券取引所プライム上場企業を対象に温暖化ガス排出量の開示を義務づける検討に入る」といったニュースに対して、専門家による講演を検討していること等を説明し、活動計画は原案通り承認された。

議事進行の篠部委員長

次回の委員会は 9 月頃の開催を予定している。