インターロール・ジャパン㈱は3月23日、本体のスイスInterroll Holding AGが厳しい市場環境の中で2023年に堅調な利益率を達成したと発表した。

売上高は5億5,630万スイスフラン(前年比16.3%減、現地通貨ベースで同11.7%減)、受注高は5億1,970万スイスフラン(前年比9.2%減、現地通貨ベースで3.9%減)となった。

一方、金利・税引前利益(EBIT)は8,390万スイスフラン(前年度:1億520万スイスフラン)、営業利益も6,630万スイスフラン(前年度:8,280万スイスフラン)と軒並み減少したが、EBITマージン15.1%(前年度:15.8%)、営業利益率11.9%(前年度12.5%)と良好な利益率を確保した。

2023年は特に厳しい市場環境に直面したが、景気減速にもかかわらず、市場地位の維持、新規顧客の獲得に成功し、良好な利益率を確保できたとしている。

為替変動は再び受注と売上にマイナスの影響を及ぼしており、受注高ではマイナス5.3%(前年度:マイナス3.1%)、売上高ではマイナス4.6%(前年度:マイナス4.2%)と減少した。

●各製品部門の発展
ローラー製品の連結売上高は9,910万スイスフラン(前年度:1億2,650万スイスフラン)。連結受注高は同14.9%減の9,440万スイスフラン(前年度:1億1,090万スイスフラン)。

ドライブ製品の連結売上高は1億7,120 万スイスフラン(前年度:2億1,180 万スイスフラン)。連結受注高は前年度の1億8,110 万スイスフランから10.7%減の1億6,170万スイスフランとなった。

コンベヤ&ソータ製品の連結売上高は2億4,650万スイスフラン(前年度:2億6,350万スイスフラン)。受注高は2億1,170万スイスフランで、前年度の2億3,170万スイスフランを8.6%下回った。

パレットハンドリング製品は売上高は減少したものの受注高は増加。連結売上高は36.9%減の3,950万スイスフラン(前年度:6,260万スイスフラン)、連結受注高は同6.1%増の5,190万スイスフラン(前年度:4,890万スイスフラン)となった。

●各地域における成長の傾向は不規則
EMEAの売上高は、前年度の3億8,290万スイスフランと比べて24.3%減の2億8,970万スイスフラン、受注高は前年度の3億3,110万スイスフランと比べて15.0%減の2億8,150万スイスフランとなった。

EMEAは需要減退の影響を最も受けたが同社にとって引き続き最重要地域であり、総売上高の52%を占めている。

アメリカ地域の売上高は1億9,210万スイスフランで、前年度の2億2,160万スイスフランを13.3%下回り、受注高は受注高は同2.0%減の1億7,730万スイスフラン(前年度:1億8,100万スイスフラン)となった。

アジア太平洋地域の売上高は同24.4%増の7,450万スイスフラン(前年度:5,990万スイスフラン)、受注高は同0.7%増の6,090万CHF(前年度:6,050万CHF)となった。

中国が受注高(同25.3%減)と売上高(同24.8%減)の大幅な減少に見舞われたのに対して、残りのアジア太平洋地域は受注高が同20.5%増、売上高が同66.1%増となった。2021年12月に韓国で受注した大型プロジェクトの契約金請求(2021年12月20日プレスリリース)が成長に大きく寄与した。

●2024年の見通し
同社は景気後退は底を打ったと見ており、市場の回復時期は正確に予測はできないものの、業界に明るい兆しが見えているとしている。さらに、多くの市場でインフレ圧力が緩和され、今年中に金利引き下げが予想されることから、市況の全般的な改善を見込んでいる。労働力不足により、マテリアル・フローの自動化に対する需要はさらに高まると見ている。そうした要因によって、経済活動全体が活性化し、同社のソリューションに対する需要も高まると見ている。