ヤマト運輸㈱は1月30日、「宅急便」「宅急便コンパクト」「EAZY」の宅配便3商品について、国際規格ISO 14068-1:2023(※1)に準拠したカーボンニュートラリティ宣言(※2)を実施したと発表した。
併せて、2月1日に第三者機関であるBSIグループジャパン㈱からの「意見書授与式」が開催されたとしている。
同宣言は、BSIグループジャパンの検証を受けて、2024年1月30日に宅配便3商品がISO 14068-1:2023に準拠したカーボンニュートラリティ(※3)であることの意見書を取得した。
ヤマトグループは、社会的インフラを担う物流企業として持続可能な社会の実現への貢献を目指し、気候変動の緩和に向けた対応は社会全体の喫緊の課題と位置づけ、2050年温室効果ガス(GHG)自社排出量実質ゼロおよび2030年48%削減(2020年度比)の実現に向けて各取り組みを進めている。
今回、同社の主要商品である宅配便3商品について、顧客の利便性向上のみならず気候変動に配慮した輸送サービスの提供による社会全体の気候変動の緩和に向けて、国際規格ISO 14068-1:2023に準拠したカーボンニュートラリティ宣言を実施。同宣言は2022年度(2022年4月~2023年3月)において国際規格ISO 14068-1:2023に準拠したカーボンニュートラリティを達成し、引き続きEVや太陽光発電設備の導入等、事業活動に伴うGHG自社排出量の削減に取り組むことにより、2050年度までの宅配便3商品のカーボンニュートラリティの実現をコミットメントしたもの。
なお、2022年度の未削減排出量(※4)分についてはカーボンクレジット(※5)使用によるオフセット(※6)を実施。同日、ヤマトホールディングスのコーポレートサイトにて、2022年度のGHG排出量削減内容および2050年度までのGHG排出量の削減、除去、オフセットを含めたカーボンニュートラリティ維持のための計画を具体的に示した「カーボンニュートラリティレポート」を公開したとしている。
●カーボンニュートラリティ宣言概要
①対象商品
宅急便(クール宅急便含む)、宅急便コンパクト、EAZY
②対象期間
国際規格ISO 14068-1:2023に則り、GHG排出量算出における基準年を定めた上で2022年度のGHG排出量についてカーボンニュートラリティを達成したほか、今後のGHG排出量の削減、除去、オフセットを含めたカーボンニュートラリティ計画を示し、2050年度までのカーボンニュートラリティの維持を表明した。
基準年:2021年4月1日~2022年3月31日(2021年度)
達成期間:2022年4月1日~2023年3月31日(2022年度)
コミットメント期間:2022年度~2050年度
③2022年度におけるカーボンニュートラリティの達成について
EVや太陽光発電設備の導入等によりGHG排出量を削減し、未削減排出量(246万t-CO2e)(※7)については、カーボンクレジット使用によるオフセットを実施することにより、国際規格ISO 14068-1:2023に準拠したカーボンニュートラリティを達成した。
クレジットは再生可能エネルギーに関する14個の排出量削減プロジェクトを選定した。なお、同クレジットはいずれも第三者認証機関が認めたものとなる。
④2050年度までの宅配便3商品のカーボンニュートラリティ計画について
引き続き、EVや太陽光発電設備の導入など自社努力によるGHG排出量削減に向けた取り組みを計画的に実行し、BSIグループジャパン検証のもと、ISO 14068-1:2023に従って長期目標である2050年度までカーボンニュートラリティを維持することを表明した。
※1:カーボンニュートラリティを達成・実証するための原則・要求事項を規定した国際規格。
※2:該当商品の過去の対象期間のGHG排出量について、ISO 14068-1:2023の定義に基づくカーボンニュートラリティを達成し、将来の期間については削減・除去・オフセットの計画を示した上で、カーボンニュートラリティの維持をコミットすること。それらを通じて、製品としてのカーボンニュートラリティを表明すること。
※3:特定の期間においてGHG排出量が削減された後、GHG排出量がゼロ以上の場合はオフセットにより埋め合わせされている状態。
※4:GHG排出削減の取り組みをした後に残るGHG排出量のこと。
※5:GHG排出削減またはGHG除去による排出量相当分を取引できるようにした証書。
※6:カーボンクレジットを使用することでGHG排出量を埋め合わせすること。
※7:GHG排出量をCO2換算した単位。