㈱Hacobuは2月2日、動態管理サービス「MOVO Fleet(ムーボ・フリート)」に車両ごとの稼働実態を簡単に確認できる機能を実装したと発表した。

2023年7月の「トラックGメン」創設や、2024年4月の「改善基準告示」改正の影響もあり、運送会社のみならず荷主企業や元請企業もドライバーの労働時間管理を行う必要性に迫られている。そうした社会情勢を受けて、ドライバーの運転時間・拘束時間の把握に役立つ機能を開発したとしている。

同機能はMOVO Fleetにおけるβ版の機能として提供し、利用者の意見を確認しながら改善していくとしている。

●今回の機能の特長

(1)車両ごとの走行時間・停留時間等を一目で把握
車両ごとの走行時間・停留時間・配送地点での滞在時間(着荷時間)、およびそれらをあわせたドライバーの拘束時間を一覧で表示し、拘束時間の超過有無や適切に休憩が取れているか等を一目で確認できるほか、拘束時間の帯にマウスをかざすことにより、1運行における稼働実態が確認可能。ドライバーの手入力によるデータではなく、GPSによる位置情報をもとにしているため、客観的なデータに基づいた分析を実現する。

車両ごとの走行時間・停留時間等を一目で把握

(2)車両の走行情報へのアクセスも簡単
連続運転時間と着荷時間が長い等、問題がありそうな場合には、1クリックで対象車両の走行履歴にアクセスし、問題の原因の深掘りが可能。どこからどこまでの運行で長時間の運転が発生しているのか等を把握し、その改善のアクションに繋げることができる。

車両の走行情報へのアクセスも簡単

現在、荷主企業や元請の物流事業者はドライバーの労働時間管理を行う必要性に迫られており、その背景には2023年7月に創設された「トラックGメン」や、2024年4月に改正される「改善基準告示」の影響がある。トラックGメンはトラック運送における不適切な取引に関して、荷主企業・元請物流事業者への監視体制を強化するため、国土交通省によって創設された。トラック事業者に対して不適切な取引を強いる荷主企業や元請物流事業者の情報を収集し、悪質な荷主企業や元請物流事業者には改善を促す。改善が見られない場合は是正措置を要請。さらに改善が見られない場合には勧告を出し、社名を公表することも国土交通省は明らかにしている。

荷主起因の違反原因行為としては、「長時間の荷待ち」「依頼になかった付帯業務」のほか、「拘束時間の超過」も挙げられている(※)。

さらに2024年4月には、厚生労働省が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」を改正する。改善基準告示はトラック、バス、ハイヤー・タクシー等の自動車運転者について、労働時間等の労働条件の向上を図るため、拘束時間の上限、休息期間について定めた基準。具体的には、トラックドライバーの1日の拘束時間は13時間以内とされ、連続運転時間は4時間以内と定められる。

ルールの新設や改正の中で、荷主企業・物流事業者はドライバーの運転時間・拘束時間の基準を遵守できているかチェックする必要に迫られている。そうした社会情勢を受けて、Hacobuはドライバーの運転時間・拘束時間を一目で把握できる機能を開発し、ドライバーの長時間労働に対して、荷主企業・物流事業者が気を配りやすい環境を整えたとしている。

●動態管理サービス「MOVO Fleet」
物流領域に特化したテレマティクスサービス。車両管理の効率化で、荷主と運送会社双方のコスト削減を支援。端末は複数の給電方法が選べるGPSトラッカー「ムーボ・スティック」があるほか、日野自動車のコネクティッドトラック、東京海上日動火災保険の法人ドライブエージェントは追加端末なしで利用可能。
https://hacobu.jp/movo-fleet/

※出典:国土交通省「トラックGメンの設置による荷主・元請事業者への監視体制の強化」
https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000299998.pdf