アスクル㈱は9月25日、10月2日から“Loop Professional for ASKUL”の実証実験を兵庫県西宮市と共同で開始すると発表した。同市は自治体では初参加となる。
同実験は事業者におけるプラスチック容器のリユースを促進するため、使用済みプラスチック容器の回収、洗浄、内容物の充填、販売までのバリューチェーンの仕組みをECの配送スキームを活用し、コストを抑えて構築することを目的に、アスクルは2023年3月から希望企業の参加のもと実証実験を開始し、運用と検証を続けている。
西宮市は「プラスチックごみ削減運動」の表明、「プラスチック・スマート・アクションにしのみや」の策定、テラサイクルジャパン(合)との「ゼロ・ウェイスト社会の実現に向けた連携に関する協定」の締結等、市民・事業者・行政の参画と協働によりプラスチックごみの削減に向けて行動していくことを目指し、取り組んでいる。
今回、西宮市が同実験に参加し、まずは市の4拠点で使用されている容器の回収からスタートすることにより、限りある資源の有効活用を目指して取り組みを推進していくとしている。
●“Loop Professional for ASKUL”実証実験について
2022年4月の「プラスチック資源循環促進法」施行に伴い、企業におけるプラスチック製品の廃棄削減への対策が求められ、プラスチック資源循環への取り組みの重要性がより一層高まっている。プラスチック製品の水平リサイクルについては、バージン材による商品製造よりも商品製造コストを上げないためのスキーム構築が最大の課題になっている。これを解決するためには、回収運搬コストを抑えること、単一素材での資源回収を実現すること、汚れや異物の混入を防止することなど複数の条件を満たすことが要求され、単独の事業者でこれらを実現することは難易度が高いのが実情だったとしている。アスクルは持続可能な社会を実現するため、「資源循環型プラットフォームの実現」をマテリアリティ(重要課題)の1つとして掲げている。具体的な取り組みとして、2023年3月からLoop Japan(合)と共同し、アスクルのB2Bサービスの顧客を対象に、リユース容器を使用した業務用商品販売プラットフォーム“Loop Professional for ASKUL”の実証実験を開始した。同実験はループジャパンが展開する容器リユースモデルLoopをアスクルの物流・流通スキームを活用してアスクルのお客様向けに展開し、B2Bにおけるリユースモデル構築を目指し、実施するもの。事業者の使用済みプラスチック容器の回収、洗浄、内容物の充填、販売までのバリューチェーンの仕組みをECの配送スキームとして活用し、コストを抑えて構築することを目指し、現在、参加企業とともに運用、実証を続けている。
●西宮市・実証実験の概要
参加自治体:兵庫県西宮市
目的:実証実験で以下を確認し、実用化の可否を検討。
・容器の耐久性
・リユースによるCO2排出量の削減量
・リユースによるゴミの削減量
・対象商品へのニーズ
・受注~回収までのリユースモデルにおける課題点
回収キャリア:ASKUL LOGIST㈱
開始時期:2023年10月2日
利用場所
・消毒用アルコール:環境学習サポートセンター
※来館者数人数は年間で約2万人を見込んでいる
・ハンドソープ:環境事業部庁舎、美化第2課事務所、美化第3課事務所
対象商品
①業務用アルコール対物用アルコール除菌剤 シーバイエス「LJサニッシュ60 10リットル」
②殺菌・消毒用手洗い石けん(泡ハンドソープ) シーバイエス「LJハンドソーププラスF(泡タイプ)10リットル」
回収方法:ASKULサービスの商品配達時に回収依頼があればその場で回収。配達ドライバーに対し、蓋をした状態の回収容器を渡す。
●実証実験における役割
①アスクルの役割
・西宮市が各拠点で保管していた対象商品の使用済み容器の、商品配達時における回収と、アスクルの物流拠点への集約。
・使用済み容器の回収について、拠点・個数の記録と情報管理。
・分別状況の確認と洗浄施設への引き渡し。
②西宮市の役割
・使用済み容器の分別・保管と配送ドライバーへの引渡し。
・西宮市民の方への認知拡大とゼロ・ウェイスト社会の実現に向けた取り組みの実施。