(一社)日本物流団体連合会は9月25日、全日通霞が関ビル(東京都千代田区霞が関)で第33回基本政策委員会(委員長:長谷川伸一物流連理事長)を開催した。

基本政策委員会会議風景

同委員会は、国土交通省の物流政策部門と積極的に連携し、物流業界の抱える様々な諸課題、問題点について特に陸・海・空の各業界にわたる横断的な影響のある項目に留意しながら、具体的な諸施策に関する審議を行い、その推進を図っており、年に2回開催している。

今回の第33回委員会では、委員会に先立ち、国土交通省 総合政策局 物流政策課長の平澤崇裕氏による「最近の物流政策の概要」と題した講演会が、対面・オンライン視聴と併用で行われ、会員団体・企業から77名の参加があった。

講演する平澤崇裕物流政策課長

講演会の様子

講演の内容としては、我が国を取り巻く物流の現状について話された後、総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)に沿った最近の物流政策について、①物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化により「簡素で滑らかな物流」の実現、②労働力不足対策と物流構造改革を推進して「担い手にやさしい物流」の実現、③強靭で持続可能な物流ネットワークの構築により「強くてしなやかな物流」の実現に向けた各種施策とその進捗状況について説明があった。具体的事例としては、ドローン物流の社会実装にむけた取り組み、官民物流標準化懇談会における物流標準化の各種アクションプラン、高度物流人財の育成、トラックドライバー時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備と荷主対策の深度化および監視体制の強化、2024年問題にむけた広報活動等様々な事例が報告された。また、令和5年3月に設置された「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」において、商慣行の見直し、物流効率化、荷主・消費者の行動変容についての抜本的・総合的な対策をまとめた「物流革新に向けた政策パッケージ」についての紹介もあった。講演に続いた質疑応答では、参加者から物流政策に対する期待と要望が寄せられた。

委員会では、長谷川委員長の挨拶の後、平澤物流政策課長から「令和6年度予算・自動車関係予算概算要求概要」について説明があり、意見交換が行われた。その後、山田事務局長から物流連の令和5年度上期事業活動についての具体的内容の報告と物流連の今後の主な活動についての説明がなされ、閉会となった。