(一社)日本物流団体連合会は8月8日、商工会館(千代田区霞が関)で令和5年度第1回「物流分野における低炭素・脱炭素化推進に向けた情報交換会」を開催した。
今回は基調講演として、日清食品㈱ 取締役サプライチェーン本部長 兼 Well-being推進部長、日清食品ホールディングス㈱ NISSIN ACADEMY学長の深井雅裕氏を講師に招き、「日清食品におけるサプライチェーン構造改革」と題して講演した。3年前に同情報交換会を開始して以来、初めて荷主企業を講演に招いた点、また、多角的な経営を行う日清食品の物流改革についての講演ということもあり、日本国内だけでなく、遠く中国からもオンライン参加の申し込みがあった。
深井氏ははじめに「食」を扱う企業として、「気候変動を始めとする環境・社会課題への危機感」、および「課題解決の全体像と取り組む意義」について話し、実際の取り組みや直面している課題を取り上げ、日清食品グループ全体で「課題解決を成長機会」と捉えて取り組んでいるとした。
続いて、「日清食品が進める物流改革」と称して、「異業種共同配送の取り組み」、および「グループ企業間の調達物流での可視化」、「小売業・卸売業との製配販連携」について話した。特に共同配送に関しては、「発着荷主個社の努力ではマッチングの限界があり、課題解決のためにも荷量情報を持つ物流事業者の協力に期待している」と言及し、講演を終えた。
講演後はオンライン聴講者からも活発な質問が挙がり、荷主の商習慣に関わる質問にも丁寧に回答した。
次に、参加企業・団体による低炭素・脱炭素化に向けた情報交換として、(一財)環境優良車普及機構 常務理事の今井武人氏が、「商用車の電動化促進事業(トラック)」について説明した。今年度のEV商用車導入に関する環境省補助金制度について、補助の対象、重複できる補助金制度、条件の注意点などわかりにくい箇所を重点的に話した。
次回の情報交換会は10月頃、参加企業所有の施設見学を開催する予定としている。